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65話 少年に卑怯だと言われた!

先生とチェイス君視点です

 フータが黒竜を討伐し、レイクが遺跡から脱出した時から少し遡る。

 

 『宝探しゲーム』1日目夜。

 

 残り63時間地点


 死神と吸血鬼はプレイヤーを次々と狩っていた。

 プレイヤーの寝込みを襲い気づく暇もなくライフを減らしていた。

 現在倒したプレイヤーは50人を超える。

 

 金×10     10000p 

 銀×38      3800p

 銅×86       860p 

 石ころ×145    145p

 合計       14805p


 ポイントも順調に集まっている。

 日が落ちたときにはチェイス君とは別行動をしている。

 チェイス君は日が出ているときは普通だが夜になると強くなる。

 夜にチェイス君が負けることは無いだろうと思い効率よくプレイヤーを減らすため夜の間だけ別行動することになった。

 

 そして私の目の前には寝ている少年がいる。

 よく寝ていますね。

 そんなことを思いながら手に持った大きな鎌を振り下ろす。

 

 ガキンッ!

 

 「人の寝込みを襲うなんて卑怯ですよお兄さん。学校で教わらなかったんですか?」

 少年は寝ていたはずなのに私の攻撃を防ぐとすぐに起き上がり腰から短剣を二刀抜いて構える。

 「すみません。そのようなことは教わっていませんね。随分と寝起きがいいようで。もっと寝ていてもいいんですよ。」

 「ごめんね。もう目が覚めちゃって寝れそうにないや。」

 「そうですか。残念です。だったら私が寝かせてあげましょう。」

 私はそう言うと再び少年を攻撃する。

 「それは勘弁してほしいな。」

 少年は右手の短剣で攻撃を防ぐと左手の短剣で反撃する。

 少年の反撃は《死神化》発動中の私を通り抜ける。

 少年は一瞬驚いた表情をして後ろに飛び距離をとる。

 「うぇー、なんだそのスキル。そんなスキル持ってるのも卑怯だね、お兄さん。今はちょっと敵いそうにないから今日は見逃してあげる。また会おうね!《--ー》」

 

 少年は最後にスキル名を言ったのか小声で何か言うと姿を消してしまった。


 「逃げられてしまいましたね。次会う時を楽しみにしていましょう。」

 


*********************************************

 

 先生が少年と戦っている頃。

 チェイス君は空を飛んでいた。

 蝙蝠の様な翼を生やし空から狙いを定める。

 寝ているプレイヤーを発見する。

 「《血創術・つるぎ》」

 自らの血で剣を作り寝ているプレイヤーに気づく暇も与えずに倒していく。

 日の当たる場所では本来の力の半分ほどしか出せないが夜になれば存分に力を発揮できる。

 夜の間に活躍しなければと思い次々にプレイヤーを倒していく。

 

 飛んでいるとフータ様とアオ様を見つけた。

 二人は場所から考えると山頂を目指しているようだ。

 交代で見張りをしているのかアオ様が寝ていてフータ様があくびを噛み殺しながら見張りをしていた。

 頑張ってくださいと心の中でエールを送る。

 

 念のため山頂を見に行こうと思いそのままとんで山頂を見に行く。

 夜通し歩いているのか山頂付近にをちらほらプレイヤーが見えたので排除しながら山頂に向かった。

 山頂に着くと大きな黒竜が宝箱を中心に丸まって寝ているのを確認した。

 黒竜からは強そうな気配が伝わってくる。

 おそらくシュウ様やフータ様などの王の称号持ちで何とかなるであろう強さだと推測する。

 フータ様とアオ様はちょっと遅れ気味ではないかと思ったがこれはあの二人が到着するまで倒されることは無いだろうなと思い黒竜に気づかれないように山頂から離れる。

 

 赤い目だけを光らせ吸血鬼はプレイヤーを狩るのだった。

 

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