63話 暗い道を通ってると誰かいる気がして何度も振り返っちゃうよね!
レイク視点です
私たちは朝食を済ませるとすぐに出発した。
いつ終わるのか分からないこの洞窟を早く抜け出すためだ。
やはり洞窟の中にはモンスターが少ないのかしばらく歩いていてもモンスターと出くわすことは無かった。
「あれは?あれは明かりではありませんか?」
先頭で歩くあんこが何かを明かりを発見した。
ということは……外!?
私たちはようやく外に出られると思い明かりのある方へ走った。
「外?」
たどり着いた先にあったのは外のように明るくて、木々や草花が生えた空間だった。
その空間の中央には古びて壊れかけの遺跡があった。
「外ではないですね……。まだ洞窟の中の様です。」
外のように見える空間の天井には太陽の様に光る物体があり、いくら見上げても空が見えることは無かった。
でもあの遺跡の中……もしかしたら……。
「あるね。」
「あるな。」
「あるわね。」
「ありますね。」
皆も考えていることは一緒だった。
この中に宝箱がある!
「よし!皆で宝箱見つけるぞー!」
「「「おー!」」」
遺跡の入り口にはこの遺跡の名前が書いてあった。
地底遺跡『ソマリエ』
遺跡の中に入ると祭壇のようなものがある。
「あんまり広くないからあるとしたらすぐに見つかりそうだね。」
「そうですね。ここはいったん分かれて探しましょう。」
「オッケー!」
あんこの言う通りにしてみんな分かれて遺跡の中を探索する。
探索するといっても祭壇のある一部屋しかないのですぐに終わるだろう。
うーん、あるとしたらこの祭壇の所だと思うんだけどな……。
私は祭壇の付近をくまなく探索する。
そして見つけた。
「あった!」
私がそれを発見すると皆が表情を明るくして駆け寄ってくる。
「ありましたか?」
「どんなお宝だ?」
「何が入ってたのよ?」
「あったよ!下に続く階段が!」
私が下へ続く階段を発見したことを伝えると皆の表情は一気に暗くなった。
「階段ですか……。そうですよね。そう簡単には見つかりませんよね……。」
「ま、まあ、この下に行けばあるかもしれねえんだし行くしかないだろう。」
「そうよね。行きましょうか。」
私たちは階段で下に行く。
遺跡の地下は迷路のようになっていた。
「これは、探索するのが大変そう……。」
「ここも分かれて行った方が良さそうね。」
ゆきの意見に頷き探索を開始する。
遺跡の地下は薄暗くどこか不気味の雰囲気が漂っている。
曲がり角を曲がるたびに何かいるのではないかとドキドキしながら進む。
ところどころ部屋などがあり探索漏れがあると厄介なので一部屋一部屋丁寧に探索する。
私が一つの部屋を探索している時に外から足音のような音がする。
ペタッ、ペタッ、ペタッ、ペタッ。
その音は始めは遠くの方から聞こえたが段々と私がいる部屋に近づいているような気がする。
恐る恐る部屋から廊下を覗くと音の正体はまだ遠くの方にいるようで良く見えない。
ずっと覗いていると赤いドレスを着た少女?がゆっくりと歩いていることが分かった。
プレイヤーかな?
人型だし話しかけてみようかな?
もしかしたら宝箱がどこにあるか教えてもらえるかもしれないし声をかけてみよう!
そうして私が部屋から出ていこうとしたところで後ろから掴まれる。
思わず声を出しかけたところで口を塞がれる。
「お前何しようとしてた!」
何者かに小声で叱られる。
べリアちゃん!?
私を掴んだ正体はべリアだった。
どうしてここに?聞きたいが口を塞がれているので話す事が出来ない。
「こっちに隠れるぞ!」
べリアに手を引かれ私が覗いていた方とは反対側にあった扉から通路に出た。
べリアの手が私の口から外されてようやく話せるようになる。
「そうしてべリアちゃんがここにいるの?」
「お前今何をしようとしてた?」
べリアは私の問いには答えずに真剣な顔で質問してきた。
「何って、宝箱がどこにあるか知ってるかもしれないからあの少女に聞きに行こうとしてたよ。」
「お前あいつの姿を見てないのか?」
ここでようやくべリアの顔が青ざめているのが分かる。
「うん?暗くてよくわからなかったけど赤いドレスを着た少女?っていうことくらいしか……。」
私はなぜべリアの顔が青ざめているのか分からなかった。
「見てみればわかる。ここで隠れてみるぞ。絶対に声は出すなよ。」
「う、うん。」
べリアの真剣な表情に私は頷くしかなかった。
ペタッ、ペタッ、ペタッ、ペタッ。
赤いドレスの少女?の足音がさっきまで私が覗いていた場所の扉で止まり部屋に入ってくる。
私は赤いドレスの少女?の姿を見た。
いや、見てしまった。
「ひっ!」
「おい、バカ!」
思わず声が出てしまった。
少女は腕や足がねじれ、口が裂け鼻がつぶれ、化け物と呼んだ方がいい姿をしていた。
少女はゆっくりと私たちの方見る。
そして目が合った。
目が合ったというのはおかしいかもしれない。
少女には目がなく目が合ったであろう位置には二つの穴しか開いてないのだから。
「逃げるぞ!」
べリアが叫ぶ。
私はその言葉でようやく我に返りすぐさま化け物に背を向け逃げる体制になる。
クケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケ
化け物が笑い声が響く。
笑い声を背に私とべリアちゃんは全力で走って化け物から離れる。
怖すぎる!
とにかくあの化け物から少しでも離れたかった。
しかし、その願いは叶わない。
化け物はクケケと笑いながら物凄い速さで私たちに迫ってくる。
「べリアちゃんまずいよ!このままじゃ追いつかれる!」
「レイクはそのまま走ってろ!あたいが化け物の相手をする!」
べリアはそう言うと止まって化け物の方を向く。
「オラァァァァ!」
べリアの拳は化け物を吹っ飛ばす。
化け物は通路の突き当りまで飛ばされ動かなくなる。
「倒した?」
「分からない。」
その時、化け物がむくりと起き上がる。
「嘘でしょ?」
「マジかよ?」
そしてまた化け物はクケケと笑い始める。
「逃げろ!逃げろ!」
べリアの言葉で私たちは即座に動き出した。
幸いべリアが通路の突き当りまで飛ばしてくれたおかげでまだ化け物との距離はある。
とにかく走りもう何処をどう曲がったかとかどの道に戻れば帰れるとか覚える余裕もなく化け物から距離をとることばかり考える。
どこかに隠れるところはないか。
このままだと追いつかれちゃう!
「あった!」
曲がり角を曲がってすぐに扉を見つける。
部屋に入りすぐに扉を閉める。
扉を背に息を殺す。
化け物が通り過ぎて行ってくれることだけを祈る。
クケケという笑い声が近づいてきくる。
お願い!
どこか行って!
心の中で何度もそう唱える。
願いが通じたのか笑い声は私たちのいる扉を通り過ぎて離れていく。
そこでようやく私たちは止めていた息を吐きだす。
「「はぁー。助かったー。」」
私とべリアは安堵でその場にへたり込む。
そう気を抜いた瞬間ギーと音を立てて扉が開かれる。
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