59話 名前は熱そうだけどとても温かい人!
日の出と同時に山に登り続け気づけはかなり山頂近くまで来ていた。
山頂に近づくにつれてモンスターが強くなっていきドロップするお宝のPも高くなっていった。
それと、他のプレイヤーも山頂を目指しているのか多くのプレイヤーを目撃した。
攻撃をしてきたプレイヤーに対してだけ返り討ちにした。
それでここまでに来るのに大量のポイントを手に入れる事が出来た。
金×10 10000p
銀×23 2300p
銅×52 520p
石ころ×23 23p
合計 12843p
これが現在手に入れたpの合計だ。
返り討ちにしたプレイヤーがたくさんPを持っていたので僕たちの懐が潤った。
モンスターもたくさん倒したはずだけどまだ金より上のお宝は出ていない。
それにまだ一度も宝箱を発見していない。
宝箱はどこにあるのだろうか?
やっぱり山頂とか特別な場所にあるのかな?
あれ?
ここで僕はある考えに至る。
これはまずいんじゃないか?
ここまで来るのにたくさんのプレイヤーとあった。
その中には攻撃してくる人もいたし何もしてこない人も多かった。
でもその人たちはみんな等しく山頂を目指していた。
これは僕達はのんびりし過ぎているのでは!?
山頂に宝箱が一個しかないとするともう誰かにとられているかもしれない!
「やばい!急ごうアオ!」
「どうしたんですか?師匠。」
「のんびりし過ぎた!山頂に宝箱があったらもうなくなっているかもしれない!」
「なるほど!急ぎましょう」
そして僕たちは駆け上ることになった。
「師匠あれは何でしょう?」
しばらく走って登り周りには植物類はなくなりごつごつといした岩と砂利ばかりになった。
そこで僕たちは人だかりを発見した。
「何であんなに人が集まってるんだろう?急がないといけないけど様子だけでも見に行ってみようか。」
「そうですね。行きましょう。」
人が集まっているところに行くと僕は適当な人を見つけて声をかけた。
「何でここに集まっているんですか?」
「お前たちもも山頂へ行くのか?山頂にある宝箱が発見したらしい。」
「もう発見されたんですか!?じゃあ早く行かないと!」
「ちょっと待てって!発見されてすんなり手に入るなら思う誰かが手に入れてるだろ。発見されても近づく事が出来ないからこうやって皆集まっているんじゃないか。」
「何で近づけないんですか?」
「どうやらその宝箱は黒竜が守っているらしい。」
「黒竜ですか?」
「そう。それもとてつもなく強い奴な。何人も戦いを挑んだけど誰も近づくことも出来ずに黒竜のブレスで一瞬でやられたらしい。だから今黒竜を倒すために多くのプレイヤーを集めているってわけだ。」
なるほど。
そんなに強いモンスターがいるのか。
それなら僕たちもこの人たちに着いていった方がいいかもしれない。
「それって僕達も参加していいんですか?」
「おう!一緒に戦ってくれるっていうなら大歓迎だ!」
よかった。
着いていけるみたいだ。
「マスター!こいつらも一緒に戦ってくれるってよ!」
「む?本当か?」
奥の方から筋肉のごつごつした厳つい顔をした大男が出てきた。
そして僕たちの顔を見るなり走り出した。
「お前たちは弓聖とおこぼれ王子ではないか!?いやー、よく来てくれた!みんな喜べ!タッグマッチトーナメント優勝者の弓聖とおこぼれ王子が来てくれたぞ!これで百人力だ!」
大男は僕達の手を握りぶんぶんと握手をした。
なんか物凄く歓迎されてる!?
「へー、お前たち有名プレイヤーだったのか。」
さっきまで黒竜の説明をしてくれた男性が感心したように言う。
「え、あ、あのー……。」
僕たちが混乱してると大男はようやく手を離した。
「これはすまんかった!ついうれしくてテンションが上がってしまった!許してくれ!それにまだ自己紹介がまだだったな。俺はファイヤってんだ。ギルド『炎の王国』ギルドマスターだ!よろしくな!」
ガッハッハーと笑いながら大声で豪快な挨拶をされた。
「ギルド『フォレスト』のギルドマスターのフータといいます。よろしくお願いします。」
「アオです。よろしくお願いします!」
「おう!よろしくな!しかし、クッソー、もうギルドに入っていたか!機会があれば二人とも『炎の王国』に誘おうと思っていたのに悔しいぜー!今からでも乗り換えない?」
最後にさらっとギルド勧誘された。
「すみませんがお断りします。」
「俺もです。」
「ガッハッハー!断るか!それでいい!いつか戦ってもみたいしな!」
なんだかファイヤさんはすっごく元気な人だ。
そんなファイヤさんとは裏腹におこぼれ王子と聞いてひそひそと話す声もあった。
「おいそこ!何をひそひそ話していやがる!失礼だろ!」
「失礼?だってあのおこぼれ王子だろ?こんな奴は戦力になんねえだろ。それにタッグマッチトーナメントみたいに俺たちが黒竜に勝っても横取りされるかもしれないぜ。ブフッ。」
「ちょ、お前言いすぎ。ギャハハ。」
ひそひそと話していた二人は下品に笑う。
最近はひそひそ話は慣れてきたけどこうまで言われると流石に落ち込むな……。
「「お前ら言いたいことはそれだけか?」」
アオとファイヤさんの声が重なる。
その声には明らかに怒りが混ざっていた。
ファイヤさんは一人の胸ぐらをつかみ、アオが弓を構えてもう一人の方を捉えていた。
「お?やんのか?俺は構わないぜ?なぜかリーダーのようにこの場を仕切るお前にもいい加減イライラしてたからな?」
ファイヤさんが下品に笑った男を突き飛ばすと男はすかさず剣を抜いた。
ファイヤさんも背負っていた大きな斧を持つ。
ファイヤさんは大きな斧を振り下ろす。
男は防御の姿勢をとったが大きな斧は剣ごと男を真っ二つにした。
力ありすぎでしょ!
もしかしたらファイヤさんだけでも黒竜を倒せるのでは!?
っといけない。
ファイヤさんに見入っていた。
アオなら負けることは無いだろうけどアオはどうなったかな?
すでに終わっている。
もう一人の男の頭に矢が刺さっていた。
そして転送の光に包まれて消滅した。
なんだかあれだけ言われたけどあの二人がかわいそうに思えてきたよ……。
喧嘩を売った相手が悪かったね。
ご愁傷さまです。
「フータすまんかったな!勝手に切ってしまって!」
「いえ、僕は慣れてるので大丈夫です。流石に今回はちょっとだけ落ち込みましたけど……。でもスカッとしました。ありがとうございます。アオもありがとね!」
「いえ、当然のことをしたまでです!」
「でも、よかったんですか?」
「何がだ?」
「貴重な戦力を減らしちゃって。」
「気にするな。フータの実力が分からない奴は大した戦力にならん!もう少し待て、俺のギルドメンバー30人が到着する予定だ!」
30人!?
すごい多いな!
もしかしたら今いる中にもギルドメンバーがいるのかな?
「今ここにはどのくらいギルドメンバーがいるんですか?」
「俺含めて20人だな!」
ここには約40人くらいいるから……半分も!
すごい!
そのうえ30人もいるなんて!
巨大ギルドのマスターだったんだ!
「さっきお前たちと話してたのはサブマスターだぜ!」
「そうだったんですね!」
さっきの人もいい人だったし『炎の王国』はいいギルドだなー。
僕も『炎の王国』に負けないように『フォレスト』をもっといいギルドにするぞ!と決意するのだった。
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