5話 木の剣は僕の全財産!
早速レベル上げに行こうかと思ったけど装備がなかった。
自分の腰や両手の中を見てみるが何もない。
もしかしたらアイテムボックスに何かしら武器が入ってるかもしれないと思ってアイテムボックスを見ても何も入っていなかった。
武具屋に買いに行かないといけないな。
メニューからマップを開いて武具屋らしきお店の位置を確認する。
幸いあまり遠くない位置にあるのですぐに行けそうだ。
少し歩いて武具屋に到着した。
看板には剣と盾のマークがありこれぞ武具屋って感じだ。
こういう現実にはないお店を見てもやっぱりテンション上がっちゃうよね。
では早速。
「おじゃましまーす!」
「いらっしゃいませ。」
NPCの店員さんが抑揚のない声で出迎えてくれた。
お店の中には様々な武器や防具があって現実世界では見ることが出来ない光景に僕のテンションは更に上がった。
お店の中をうろうろして色々な武器や防具を見たが500Gで買えるものは1つしかなかった。
木の剣 500G
木の剣高っ!
全財産じゃん。
まぁ買いますけど。
というかこれしか選択肢ないからね!
というわけで購入した。
『木の剣』 STR+3
普通の木でできた普通の剣。
早速装備する。
ちょっと重たいか?
フータ LV.1 お金0G
HP 100
MP 100
STR 5 +3
INT 5
AGI 5
VIT 5
MND 5
DEX 5
ステータスポイント0
《称号》 なし
《スキル》なし
一文無しになってしまった。
でも、これでようやく狩りに行ける。
とりあえずは今やるべきことはレベル上げとお金稼ぎだね。
今更だけど剣とか今まで一度も使ったことないけど使えるのかな?
自分の妄想では結構華麗に剣を振れてるけど、実際そうはいかないよね。
物は試しだ!
モンスターを狩りに行こう!
街を出ると平原にでた。
やっぱり!
はじめは平原だと思ったよ!
お決まりだよね!
緑色の芝がずっと続いていて見晴らしがいい。
ここで寝転んだら気持ちが良さそうだ。
1日中寝てられる自信がある!
寝てみたいが今は経験値とお金だ。
平原ならあいつがいると思ったんだけど……。
僕は周りを見渡してそいつを探す。
見晴らしがいいのですぐに見つけることが出来た。
「いたーーーー!」
ファンタジー世界、雑魚モンスターの定番、青色のスライムがいた。
これもお決まりだよね!
早速、君には経験値とお金になってもらおう!
思いっきり剣を振り上げる。
そして、振り下ろす!
すると剣の先にいるのは、見事スライムが!
なんてことはなくあるのは地面だった。
僕の剣を避けた……ではなく、僕の剣が当たらなかったスライムはびっくりして逃げ出してしまう。
「ま、まてー」
くそう!
やっぱりちゃんと振れなかった。
ステータスのおかげで筋トレとかはしなくてもいいだろうけど、こういう技術に関しては地道に練習しないといけないな。
とにかく今はあのスライムを何としても倒そう。
このゲーム開始記念の僕のひと振り目を避けたスライムの罪は大きい。
僕は逃げたスライムを追っていくのだった。