55話 石ころが1ポイントってむしろ高いかもしれない!
転送が完了すると砂浜に立っていた。
目の前には海が広がり、後ろを向くとジャングルがあり高い山があった。
山は富士山のような形だった。
そして隣にはアオがいた。
「あれ?師匠じゃないですか!同じ場所に出たんですね!ラッキーですね!それとも師匠が言った通りにパーティーを組んでたから一緒の場所に転送されたんですかね?」
僕たちは転送される前にあらかじめチームごとにパーティーを組んでいた。
もしかすると転送が同じ場所になるのではないかと考えたためだ。
「ただの偶然かもしれないけど、もしパーティーを組んでいたから同じ場所に転送されたとしたら他のチームも同じ場所に出てるかもしれないね。」
「きっとそうですよ!」
『やっほーー♪みんな楽しんでるーー♪』
突然、島中にアイちゃんの声が響いた。
『今からスタートするよー♪はい、よーいスタート♪じゃあみんな72時間頑張ってねー♡』
なんとも適当なスタートコールが『アクール島』に響いた。
残り72時間
「さてスタートしたし、行きますか!」
「そうですね!行きましょう!」
「「ダイヤモンドを探しに」」
完全に僕とアオの声が重なった。
アオも狙いはダイヤらしい。
始めから目標が一致していて良かった。
問題はそのダイヤモンドがどこにあるかなんだけど……ぱっと見ありそうなところはあそこしかないな。
「……山の頂上。」
「やっぱりそうですよね。今のところ考えられるのは山の頂上ですよね。」
「よし!まずは行ってみよう!無ければ無いでいいし取り合えず頂上に行けば何かしらありそうだ!」
「はい!」
3日もあるんだ。
気長に行こう!
そして僕たちは山の麓に広がるジャングルに足を踏み入れた。
「師匠そっち行きました!」
「《植物操作》」
ジャングルに入ってすぐに『グリーンモンキー』というモンスターに囲まれてしまった。
数はざっと見て20ほど。
アオは弓で僕は植物操作を駆使して現在戦闘中だ。
幸い『グリーンモンキー』はそこまで強くなくしかもここはジャングルだ。
木々が生い茂っている。
つまり僕の独壇場だ。
アオは開けた場所ではないので戦いずらそうだけど器用に戦い確実に数を減らしている。
囲って優位に立っていた『グリーンモンキー』だったが一方的に倒されていく仲間を見て逃げていく者もいたがそれを僕たちが逃がすわけもなくすべてを狩りつくした。
銅×1 10P
石ころ×5 5P
「あっ!ポイントが入りました!4p手に入れました!」
「僕も15P入ったよ。石ころが多いね。モンスターもそれほど強くなかったからポイントが低いものばかりドロップするのかな?モンスターが強ければ強いほどポイントが多いお宝をドロップするのかな?まあ、今考えてもしょうがないか!」
「俺は石ころしかありませんでした。それにモンスターを倒して確実にドロップするわけではないんですね。」
「そうみたいだね。こうやってモンスターを倒してコツコツとポイントを稼ぐのもありなんだろうけどやっぱり一発でかいダイヤモンドが欲しいね。」
「ダイヤモンドって宝箱の中に入ってるんですかね?モンスターからのドロップもあるんでしょうか?」
「うーん。どうだろう。まだ分からないや!とにかく今は山頂を目指そう!」
「はい!」
そして僕たちは再び山頂を目指して進むのだった。




