51話 今日は海で遊ぶ!
後日『宝探しゲーム』の詳細が発表されてどのプレイヤーもイベントに向けて準備している中僕たちは海に遊びに来ていた。
「やっほーー!うみだーー!」
レイクが声高らかに叫ぶ。
なぜ今僕達が海に来ているのかというと、この前僕と先生がギルド加入手続きをが終わって『グラーシ』にいる皆の元に戻るとレイクがしょんぼりして待っていた。
聞くと今日はもう時間だから落ちないといけないらしく海に行くのはまた後日ということになりその日はそこで解散した。
『グラーシ』の中には水着を売っているところや海で遊ぶための道具を売っているお店もあったのでそう言ったお店で水着や遊び道具を購入した。
そして今に至る。
「いえーーい!うみさいこーーー!ほらほら、みんなも早く!べリアちゃんも行くよ!」
「ちょ、ちょっと、行くからひっぱるなー!」
満面の笑みのレイクがべリアちゃんを引っ張っていく。
「楽しそうで何よりですね。」
「そうですねー。」
先生の言葉にチェイスさんがのほほんと答える。
「師匠、俺達も行きましょう!」
「そうだね。行こうか。あんことゆきも行こ!」
「わかりました。」
「しょうがないわね。」
しょうがないと言うゆきの顔はどこか嬉しそうだ。
よし、今日はとことん遊ぶぞー!
おー!
「お、おまえは!」
遠くの方から先日のタッグマッチトーナメントで決勝戦の対戦相手で見たような人物が僕に指をさしている。
明らかに僕が指さされているけどなんかめんどくさそうなのでとりあえずは無視しておこう。
完全に目が合ったけどそこは気にしない。
「無視するなーーー!」
僕が無視すると、とてつもない速さで走ってきた。
「おい、無視するなよ!傷つくだろうが!」
無視したことは適当にごまかそう。
「ごめん。僕のことだと思わなくて。」
「嘘つけ!絶対目が合っただろ!」
騙されなかったか。
「それで自称勇者は何の用?」
「自称ではない。本物だ。そして俺にはユウという名前がある。」
「それでユウは僕に何の用?」
「そううだった。お前は『宝探しゲーム』には出場するのか?」
「お前じゃなくてフータね。出場する予定だよ。」
「そうか……。ならいいんだ。『宝探しゲーム』で絶対にお前に勝って見せる。だから俺に倒されるまで誰にも負けるなよ。お前を倒すのは俺だからな!」
そういうイベントじゃない気がするけど……。
「わかったよ。」
「わかればいいんだ。それとな、あー、その、なんだ、この前は、わるかっーーー」
「あーー!お前は自称勇者!師匠に何の用だ!」
ユウが何か言っている途中で先に遊びに行っていたアオがユウの姿を見て戻ってきた。
「なんだ、負け犬じゃないか。ちょっとフータに話があっただけだ。」
「負け犬じゃない!次勝つのは俺だ!」
「フータが出場するならお前も出場するんだろ。だったらそこでお前も一緒に倒してやるよ。第一イベントの詳細情報も発表されて他のプレイヤーはみんな準備してるのにこんな所で遊んでるお前らなんかに負ける気はしないけどな!」
そう言うユウの格好は海パンで腰には浮き輪、右手にはビーチボールを持っていて頭にゴーグルをかけているところに僕は突っ込んだ方がいいのだろうか……。
「「はぁー……。」」
「ま、まあとにかくお互い『宝探しゲーム』頑張ろう。イベント最中に会えるか分からないけどもし会った全力で戦うことを誓うよ。」
「ふんっ。当たり前だ。首洗って待ってろ!」
ユウはそう言うと帰っていく。
「こっちのセリフだ!逃げるなよ!」
「誰が逃げるか!またな。」
「うん。また。」
「べーーー」
何か楽しそうな表情で去っていくユウの背後で僕は手を振りアオは舌を出している。
『宝探しゲーム』楽しみになってきたな。
でもやっぱりみんなもう準備進めてるのか……。
僕たちも早くやらないとなー。
でも今日は遊ぶけどね!
この後僕たちは気のすむまで遊びまくった。




