４７話 死神は先生になった！
「何でそれを？」
「簡単なことです。我々のような意志を持ったモンスターは今のところ王の称号を持ったプレイヤーの使い魔しかいませんから。」
「そうなんですか！だったらシュウさんも僕と同じ……」
「はい。王の称号持ちですよ。私は《常夜の王》の称号を死神から貰いました。」
「じゃあそのローブや大きな鎌も？」
「はい。称号と一緒に貰いました。」
「他にも王の称号を持ってる人はいるんですか？」
「すみません。それは分かりません。」
「そうですか……。チェイスさんは？」
「すみません。詳しいことは聞かされていないので……。」
「ところでフータ君は何の王様なんですか？見た目だと王様ってよりは王子様って感じですが……。」
「僕は《森の王》の称号を老人の樹に貰いました。それで2匹のうさぎはあんことゆきで森の王の護衛です。」
「なるほど。森の王ですか。王の称号持ちが私たちだけとも限りませんし探せばまだどこかにいるかもしれませんね。」
「そうですね！」
僕達は互いに自己紹介を済ませ洞窟攻略を再開した。
「ところで先生さっきのすり抜けるのは何だったのー？」
先生？
「先生って誰のこと？」
「あっ、ごめんなさい。シュウさんってなんだか話し方が先生っぽくて間違えちゃった。」
「いいですよ。それに職業柄先生と呼ばれることは好きなので先生と呼んでもらえると嬉しいですね。」
「やったー！じゃあこれから先生って呼ぶね！」
「はい。お願いします。それとすり抜けるのは何でかってことでしたね。それは《死神化》というスキルのおかげです。」
「すごいスキルでしたね！師匠の攻撃が通じないなんて！」
「すごいスキルなのは確かなのですがそこまで便利なスキルでもないんですよ。このスキルを使うとHP半分削られますし、日の光が当たる場所では使えないので意外と使える条件が厳しいんですよ。それに無効化できるのは物理攻撃だけで魔法攻撃は普通に当たりますしね。」
「確かにそれは厳しいですね。《死神化》も王の称号を貰った時に手に入れたスキルですよね？」
「はい。そうですね。」
「だったらもう一つスキルがあるんじゃないですか？」
僕が２つスキルを貰ったのでそうだろうと思い先生に聞いてみる。
先生は少し考えてから言った。
「あるのですがここではわかりにくいので外に出たら見せてあげますね。楽しみにしていてください。」
「わかりました！」
「いい返事です。」
しまった。
先生って呼んでるからつい学校でするように元気よく返事をしてしまった。
まあ、普段の学校生活ではこんなに元気に返事をすることもなんだけどね……。
そんな感じで話をしていると石でできた大きな扉の前に着いた。
いかにもボスモンスターがいそうな扉である。
おそらくここの中にいるボスモンスターを倒せば外に出られるんだろうな。
そして僕たちは扉を開けて中に入るのだった。
