45話 男らしく、はっきりと!
あれ?
今目の前の死神さんは何て言った?
よく思い出そう。「ナラワタシヲソノギルドニイレテクダサイ」って言ったような気がするんだけど。
気のせいだよな。
確認してみよう。
「あのー、さっき何て言ったのかよくわからなかったのでもう一度行ってもらってもいいですか?」
「はい。私をそのギルドに入れてください。」
死神さんはにっこりと微笑んで言った。
う、笑顔がまぶしい!
それにおかしいでしょ!
どういう流れになったら死神さんが僕たちのギルドに入ることになるの。
しかし、可能なら従うって言ってしまったしなー。
不可能でないのだから従わなくてはいけないよね。
でもこんなこと言いだすなんて絶対に何か裏がありそうなんだよなー。
うーん。
ダメだ、僕一人じゃ判断できないや!
「みんな集合!」
そして僕たちはまたこそこそと会議を始める。
「みんなはどう思う?」
「俺は師匠の判断に従います!」
「私もフータが決めたことならちゃんと着いていくよー。」
「私もフータ様の決定に従います。」
「私も皆と同じよ。それにフータがギルドマスターなんだからフータが決めなさい!」
確かにゆきの言う通りだよな。
僕がギルドマスターなんだからはっきり決めよう。
そう男らしく!
はっきりと!
「保留ってことでどうでしょうか?」
ベシッ!
後ろからゆきに頭を叩かれた。
「ビシッと決めなさいよ!」
「ごめんなさい!!!だって現状では判断できないんだもん!」
「クフフフ……。」
僕がゆきに怒られているのを見て死神さんはくすくすと笑っていた。
「おっと、失礼しました。微笑ましい光景を見られたものでつい。それに保留ですか。いいでしょう。でも、期限は設けさせてもらいますよ。後どれくらいこの洞窟が続くか分かりませんがこの洞窟を抜けるまででどうでしょう?その間は私も皆さんと行動させてもらうので洞窟を抜けるまでに判断してください。」
「ありがとうございます。それまでにはちゃんと答えられるように頑張ります……。」
「では、仮仲間になったので私の自己紹介でも。プレイヤーネームはシュウといいます。見ての通り鎌を使った近距離の戦闘が得意です。それともう二人仲間がいるので紹介しますね。おいで二人とも。」
死神さんがそう言うとメイドと執事が現れた。




