2話 エルフとか獣人って不細工のイメージないよね!
僕はゲームをスタートさせると視界が真っ暗になった。
真っ暗になったと思ったらすぐに真っ白な空間に立っていた。
そこは一面真っ白で一見狭いようにも見えるけど果てしなく遠くまで続いているような不思議な空間だった。
「チェンジワールドオンラインの世界へようこそ」
「!?」
いきなり話しかけられてびっくりしてしまった。
話しかけられた方を見ると可愛らしい女性が一人立っていた。
「ふふっ。チェンジワールドオンラインへようこそ。こちらで初期設定行ってください」
「は、はい」
笑われてしまった恥ずかしさから顔を真っ赤にして女性の方へ向かう。
「まずはキャラクターネームの設定をお願いします」
女性がそう言うと目の前にキャラクターネーム設定画面が出てきた。
これはあらかじめ決めていたので迷わずにすぐ入力する。
『フータ』と文字を入れる。
現実世界の名前とほとんど変わらないけど今までやってきたゲームもこの『フータ』という名前でやっていたので初めからこの名前に決めていた。
そもそもこのキャラクターネームだけで僕だって気付く人なんていないよ。
だって現実世界の方だと気付いて欲しくても気付いてくれる友達がいないからね!
あれ?自分で言っていて悲しくなってきたぞ?
「フータ様ですね。次は種族をお選びください。種族は見た目だけ反映されます。ステータスや覚えられるスキルなどに影響ありません」
影響はないのか……。
平等でいいね!
「はい。わかりました」
種族は人間、獣人、エルフ、魔人族、ドワーフ、か。
ファンタジーだしエルフや獣人とかにもしてみたいけどなんかハードルが高いな。
エルフと獣人はやめとくか…。
残りは人間と魔人族とドワーフだけど、ここは人間一択かな。
魔人族は悪役っぽいしドワーフはおじいさんのイメージがあるから。
「人間でお願いします!」
「かしこまりました。種族を人間で設定します。見た目は完全なランダムになりますのでよろしくお願いします」
「え?」
もしかして僕の見た目をとてつもなくイケメンにする計画は今潰れた?
「見た目って……」
「はい。完全にランダムです」
いい笑顔で言われてしまった。
そこまでいい笑顔をされるともう何も言えないです。
ま、まあ、ランダムだからまだ超絶イケメンになる可能性だって残ってるし!
「これで初期設定は終了となります。お疲れさまでした」
「ありがとうございます」
お疲れさまというほど何かやったわけではないけど普段言われないような労いの言葉をもらうと気分がいいね!
「ここからはチェンジワールドオンラインをお楽しみください」
女性がそう言うと景色が一変した。
真っ白な空間から始まりの町的な景色に変わった。
そこはもうログインしてゲームを遊んでいるプレイヤーでにぎわっていた。
いいね!いいね!
こういうのってやっぱりわくわくするよね!
僕はこれから始まるであろう冒険に胸を高鳴らせた。