表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/220

26話 俺の目に狂いはなかった!

一回戦でフータとアオに負けたキッカーさん視点の話です

 俺の名前はキッカーだ。

 タッグマッチトーナメントでフータ・アオペアに一回戦で当たって瞬殺されたペアの一人だ。

 俺たちはそこそこチェンジワールドオンラインをやりこんでレベルも40くらいまで上げていたからそこそこいい順位が取れると思っていた。

 しかし結果はイケメンのエルフのアオという人物に瞬殺されてしまった。

 アオに負けてからは観客席で試合を見ていた。

 フータ・アオペアの試合はいつもアオが瞬殺して終わりだった。

 途中アオ対策していたチームもいたがそんな対策も関係なくすべてが瞬殺だった。

 俺は試合に負けた悔しさなんか忘れてアオの強さに魅了された。

 そして同時にアオのペアのフータという人物に目がいった。

 このタッグマッチトーナメントで何もせずにただずっとアオの隣にいる人物。

 何もしていないからアオが人数合わせのためにペアにしたのかと思ったが明らかに装備がおかしい。 

 あんな装備、現段階で解放されているマップのどこにも売っていないはずだ。

 どこかの王子様みたいな恰好をしている彼だがやはり一度も攻撃をしないので人数合わせかと思った。

 決勝戦はすごい迫力だった。

 矢の雨を降らす者がいてそれを防ぎきる者がいた。

 今まで圧倒的な強さを見せていたアオだったがユウというプレイヤーにあっけなく負けた。

 俺はこれで優勝者が決まったと思った。

 いや、俺だけじゃなく会場中が決まったと思っていただろう。

 しかしそんな思い込みは一瞬で覆された。

 さっきまで何もしていなっかった地味な王子様の近くに一本の木が現れたと思ったらその木から二本の木の根が伸びユウを捕らえる。

 そしてもう一本木の根が伸びてきたら捕らえたユウを木の根が貫いた。

 突然の出来事にみんなは驚いて困惑した。

 困惑して後さっきまでの素晴らしい勝負に水を差されたと不満な顔をする者たちが出始めた。

 油断している相手に攻撃を仕掛けるのもいかがなものなのかと口にする者たちも出始めた。

 しかし俺はそうは思わなかった。

 油断している相手に攻撃するのはいかがなものかといっても試合中に油断している方が完全に悪いだろう。

 それに油断しているとはいえあのアオを圧倒した人物があっさりと負けたのだ。

 もしかしたら地味な王子様はアオやユウ達なんかより相当強いのではないかと思った。

 だが俺と同じように感じているのは少数だろう。

 そしてアイちゃんから解散宣言が出る。

 観客はぞろぞろと会場から出始めた。

 どこからか『おこぼれ王子』と聞こえてきた。

 うまく言ったものだと思った。

 見た目は王子みたいだし皆の目から見ればアオに決勝まで連れてきてもらって最後は油断している相手に攻撃して優勝する、まさにおこぼれで優勝できたように見えたのだろう。

 でもその通り名が定着するのはかわいそうだなーと思った。

 そんなことを考えているとほとんどの観客が帰ってしまっていた。

 それでもまだ残っている観客はちらほらいる。

 地味な王子様もまだ会場にいた。

 そして予想外の事が起こった。

 さっきまであんなにかっこよかったアオが涙と鼻水を垂らしながら地味な王子様に土下座をし始めた。

 この光景を見て俺の予想は確信に変わった。

 アオが地味な王子様のことを師匠と呼んでることからやはり地味な王子様の方が強いのだろう。

 残っていた観客もこの光景を見て驚いている者もいれば確信したような顔をした者もいた。

 さっき上には上がいるのだなと思ったが更に上もいるのだなと思った。

 俺もそこそこやりこんだと思っていたけどそこそこでは足りないことが分かった。

 

 

 俺もいつかは地味な王子様やアオやユウ達と肩を並べられるくらい強くなろうと決心するのだった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ