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215話 森の目覚めで防御!

「剣も慣れると結構楽しいですね」

 しばらくゾンビと戦い続け、アオは初めて触る剣にあっという間に慣れてしまっていた。

 正直僕のサポートなしでも初めから戦えていた。

 アオは器用で何でもできて、僕とは大違いだと思った。

 少し落ち込んだ。

 ダメだと頭を切り替え、もう大丈夫なアオを残して僕も個人で撃破に向かう。

 他の3人よりもレベルアップをするためだ。

 レイクとパレットは、もはや僕達から見えないところまで前へ進んでいる。

 僕も剣を握り、《植物操作》を使って敵陣へ突っ込んだ。

 敵陣に入るとあっという間に囲まれてしまった。

 まあ、どこにいても囲まれるのは変わらないんだけどね。

 《上植物操作術》のレベルはすでに9になっている。

 ゾンビを倒した数からしてもうすぐ10に上がると思う。

 僕は植物操作で自分を守ったり、ゾンビを攻撃したりしながら、自分の近くにいるゾンビを倒していく。

『《森の目覚め》《植物操作》の使用率が条件に達した事によりスキル《森の目覚め・防》を獲得しました』

 おっ、新しいスキルが増えた。

 しかも、試すには絶好の機会。

「《森の目覚め・防》」

 僕がスキル名を唱えると新しい木が生えてきた。

 ここまでは今までのスキルと変わりはない。

 この後はスキル名でなんとなく予想できるよね。

 僕は剣をしまい、ゾンビに襲われるのを待つ。

 1匹のゾンビが僕に飛びかかってくると僕とゾンビの間に重厚な木の壁ができた。 

 やっぱり自動防御してくれるスキルみたいだ。

 しばらくその場で何もせず立ってみたが、ゾンビが僕を襲おうとするたびに壁が出来て、1匹も僕に攻撃を当てる者はいなかった。

 用途は理解できた。

 このスキルは結構便利だ。

 このスキルがあれば自分の背中などの死角を警戒しなくても良くなる。

 目の前の敵だけに集中できるってわけだ。

 僕はゾンビ達を倒しながら、個別に戦っているそれぞれのところまで行き、《森の目覚め・防》を設置していく。

 これでみんなも戦いやすくなっただろう。

{フータ、何これ!? 木が守ってくれたよ? 絶対フータの仕業だよね!}

 早速レイクから念話が飛んできた。

{新しいスキルを獲得したんだ。自動で守ってくれるから目の前だけに集中できるよ}

{また守ってもらいました! 師匠、ありがとうございます!}

{まったく、余計なことをしてくれますね。まあ、今回だけは甘んじて受け入れてあげましょう}

 アオとパレットからも念話が飛んできて、《森の目覚め・防》がしっかり機能していることが確認できた。

 これでみんなのレベルアップの速度が上がるだろう。

 他の人よりもレベルアップしたいと言っておきながら、この行動は矛盾しているが、やはり全員のレベルが早く上がるのはいいことなのだ。

 その上で、僕が他の人よりも頑張ればいいだけの話である。

 防御の事を考えなくてよくなったので、頭を攻撃だけに切り替える。

 《森の目覚め・攻》を解除して、《植物操作》を使って自分で操ることにより、ゾンビを倒す効率を上げる。

 目の前にいるゾンビは剣で片っ端から倒していく。

 襲ってくるゾンビよりも僕の討伐スピードの方が勝り始め、僕の周りにはゾンビがいなくなっていった。

 自分の周りのゾンビがいなくなると、別の地点に移動して同じようにゾンビを倒していく。

 昨日の3倍ということだけあって、これだけの速さで倒してもゾンビの数が減っている気がしなかった。

 

 ゾンビを倒し続けて吸う時間経つが、まだまだゾンビの勢いは衰えない。

 僕は《植物操作術》のレベルが未だに上がらずにいた。

 そろそろだ、次のゾンビを倒せば、と思い続けて時間だけが過ぎていく。

 アオが《上弓術》をレベル10にしたとき《天の一矢》というスキルを手に入れたと言っていた。

 それならば僕が《植物操作術》をレベル10にした時も何かしらのスキルが手に入ると思って楽しみにしているのに。

 

 そしてようやく待ち望んだ声が聞こえる。

 頭に響く声を聴いて僕は驚愕するのだった。

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