1話 早く帰ってゲームしたい!
どうも畑山高校2年A組、森山風太です。
絶賛ボッチやってます!
別に好きで1人でいるわけではないのです。
僕だって友達と楽しく喋ったり放課後に寄り道とかして帰ってみたい。
ただ、ちょっぴり人に話しかける勇気が足りなかったんだ。
僕が話しかける勇気が出ないまま周りはどんどんグループを作ってしまった。
もう2年ともなると眠たくも無いのに休み時間に寝たフリをするのは限界!
そろそろ友達を作りたいのですがやっぱり勇気が出ない……。
僕はこのクラスの双葉青人君のようになりたい。
彼は容姿完璧、頭脳明晰、スポーツ万能、性格もとても良いこともありこのクラス1番の人気者!
彼のようになれなくてもせめて友達になりたいなと、いつも思ってるけどなかなか喋りかけることができない。
共通の趣味でも有れば僕でも話しかけられるはず!
多分……。
現実世界ではもはや空気の様な僕だけど今日からは一味違う森山風太になると決めてる。
今日から配信開始のVRMMOの『チェンジワールドオンライン』を頑張って現実では目立たない分ゲーム世界で存分に目立とうと決めた。
このチェンジワールドオンラインは運営がAIという全く新しいゲームなのだ。
また、前情報は剣や魔法を使うゲームという事がわかっているだけで他のことが一切わからないということでも話題を呼んでいる。
僕はこのゲームがこれから世界を変えるのでは無いかと思っている。
まあ、タイトルもチェンジワールドだしね。
そんなわけで僕はとにかくゲーム世界くらいは有名になってチヤホヤされたい!
そのためならどんなことも頑張る覚悟です!
あわよくば友達もできれば良いな……。
そんな事を考えているとようやく退屈な授業が終わった。
部活動をしていない僕はこれから帰って思う存分ゲームができる!
良い生活だね!
急いで荷物を鞄に詰めると僕は教室を出る。
学校から家までは徒歩15分くらいの距離にある。
いつもなら絶対に走るなんてことはしないが今日に限っては全力疾走で家まで帰る。
間違いなく今日、帰宅の自己ベストタイムを更新した。
「ただいまー」
と一言だけ言うとすぐに2階の自分の部屋に引きこもる。
ヘルメットの様なゲーム機を装着すると早速『チェンジワールドオンライン』の世界に旅立つために一言。
「ゲームスタート!」