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190話 城下のダンジョン!

 階段を下りると、洞窟のダンジョンと違って狭い物置部屋だった。

「暗いね……」

 部屋は今にも消えそうなランタン一つしかない。

 形は正方形で5歩進めば対角の壁に着く位の大きさ。

 木箱や棚が置かれていることからさらに狭く見える。

 この部屋に扉は2つあり、僕達が入ってきた場所を除くと1つだ。

 洞窟のダンジョンと同じなのは入り口と部屋の中心に看板があること。

 まず入り口の看板にはこう書いてあった。


城下じょうかのダンジョン・上級』


「上級か……」

 僕は頭を抱える。

 初級でもあれだけ時間が掛かったのに、上級だと出るまでにどれだけの時間が掛かるか……。

 最悪の場合、何日もダンジョンから出られないかもしれない。

「上級ってフータが頭抱える程の難易度なの?」

 レイクが心配そうに聞いてくる。

「正直僕にも分からない。この前僕とユウがクリアしたのは初級だった。3階層で構成されていて攻略に3時間程。1階層目は迷宮で2階層目はモンスターハウス、3階層目はボスだったよ。一番時間が掛かったのは1階層の迷宮かな。モンスターハウスとボスは楽勝だった」

 僕はレイクに洞窟のダンジョンの詳細を教える。

 1階層の迷宮は半分ズルみたいなものだったから、ちゃんとやっていればもっと何時間も掛かっていたかもしれない。

「そうなんだ。初級で3時間だと上級だと何時間かかるか分からないね。フータが心配するのも分かったよ」

 僕が心配する理由も分かってもらえたところで中央の看板に目を移す。


『一度入ったら出ることが出来ません。出るためにはこのダンジョンをクリアするしかありません。セーブポイントは次の部屋にあります。死んでしまった場合はセーブポイントからの再開になります。またログアウトした際、次にログインした時は前回セーブしたセーブポイントから始まります』


 僕はクリア前提でこのダンジョンから出ることを考えていたけど、最悪死んで出ることもありかと思っていた。

 なのに……。

「洞窟のダンジョンと変わっている所がある」

「なになに? 何処が変わってるの?」

「洞窟のダンジョンだとダンジョンから出るためには死ぬかクリアだったけど、この城下のダンジョンはクリアのみになってる」

 興味津々のレイクに僕は変更箇所を伝える。

「つまりクリアするまで私達はここから出られないってこと?」

「そう言うことになるね」

 ここで立ち止まっていても仕方ないので次の部屋へ進む。

 次の部屋も同じような部屋でセーブポイントとまた看板があった。

 セーブポイントで復活地点を固定して看板を見る。


城下じょうかのダンジョン・上級 1階層』


 1階層の表示だけでこの階層の説明はなし。

「1階層だって! いったい何階層まであるんだろうね。楽しくなってきたよ!」

 隣で看板を見ているレイクのワクワクは高まっているようだ。

「さあ、行こう!」

 レイクはまた僕の手を引いて走り出す。

 扉を開き、次の部屋へ。

 僕達のダンジョン攻略が始まる。

 最後に確認だけど今日はデート……じゃなくて買い物のはずだったよね?

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