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176話 僕は答えを決める

 僕は『フォレスト』のギルドハウスのソファーに座ると、話を切り出す。

「アオは女の子と付き合ったことある?」

 風香に言われた言葉で自覚した僕はいてもったってもいられず、チェンジワールドオンラインにログインして最も信頼している男に相談している。

「付き合ったことですか……。ないですね。でも、どうして急にそんなことを?」

「ちょっとね……」

 詳しい理由は言える訳がない。

 レイクの事が好きになってしまったなんて……。

 結局のところ、アオに相談をしたのはいいけど、何を聞いてもらいたいのか自分の中でも整理できていない。

「ごめん。また今度相談するよ」

「え? 師匠?」

 僕はまたしても逃げるようにこの場から離れる。

「師匠!」

 僕が出ていこうとすると後ろからアオが僕を呼び止める。

「俺はいつでも相談にのりますから! 一人で抱えきれなくなったらいつでも言ってください!」

「ありがとう」

 僕はそう言い残してギルドハウスから出て行く。


 勢いで出てきたのはいいけどやることがない。

 あんこ達も僕達の雰囲気を察して部屋から出て行ったので、この場にはいない。

 久しぶりに1人でいる気がする。 

 思えばチェンジワールドオンラインを始めてからは常に誰か隣にいた。

 始めは僕1人から始まって、あんことゆきと出会って、その日にアオとも出会った。

 アオからいきなり『タッグマッチトーナメント』に一緒に出場して欲しいと言われた。

 『タッグマッチトーナメント』が終わると、レイクと出会った。

 レイクの初対面は本当に印象的だ。

 始めてレイクを見た時は不審者かと思ったもんなー。

 一心不乱にスライムを殴り続けて、それで恍惚とした表情をする。

 よくレイクに話し掛けようと思ったな!

 半ば強引に仲間に入れることになって、僕とアオとレイクの3人から『フォレスト』が誕生した。

 グラーシの街が解放され、その道中で先生と出会う。

 そういえば先生もかなり強引に『フォレスト』に入ってきたような……。

 先生の加入すると『宝探しゲーム』が始まって、そこでクロが僕達の仲間になった。

 もしここでクロが仲間になってなかったら、『防衛戦』の時に黒竜として敵になってたってことだよね。

 それって現れる街によっては竜2匹を倒さないといけなくなるから、かなり危ないじょうきょうなのでは?

 ……クロが仲間でよかった。

 『宝探しゲーム』が終わると、皆の家のギルドハウスを購入した。

 一番高い家だったけど、今でも僕達の家はこの家以外無いと思っている。

 ギルドハウスを購入してからは、皆だらけちゃってアオにかなり迷惑をかけた。

 この時、僕もきーこに夢中だったなー。

 アオの苦労のおかげで僕達はだらけるのを止めると、レイクがパレットを誘拐してきた。

 パレットはこっちが強引に入れた感じだよな。

 そう思うと、このギルドって結構強引なことが多い気がする。

 気がするんじゃなくて、確実なんだけどね。

 そして『防衛戦』前にネロが加入する。

 ネロは『フォレスト』に入ることを泣いて喜んでくれた。

 そこまで『フォレスト』の事を思ってくれて僕も嬉しかった。


 いつもいつも誰かが僕の傍にいてくれた。

 このことに僕は最大の感謝をしなければならない。

 例え何が起ころうと僕はこの場所を守らなければならない。

 この関係を守るために僕がしないといけないこと……。

 僕は自分の気持ちに対するを答えを出す。

 僕はレイクの事が好きだ。

 それは紛れもない事実。

 しかし、それを表に出してはいけない。

 この今の関係を守っていくためなら僕は自分の気持ちくらい押し殺して見せよう。

 

 今日は時間があるので久しぶりに後書きを書いてみようと思います。


 僕は社会人1年目の19歳です。

 4月から働き始め、何だかんだでもう7月になっていました。

 約3カ月働いて僕が思うことは、全世界の働いてる人達って本当に凄いな! って思います。

 本当に尊敬します!

 社会に出るってこういう事かと日々痛感させられています。

 何をするにも責任が出てくるし、覚えないといけない事もいっぱいで、本当に大変です!

 僕が苦労してやってる事を、当たり前のように涼しい顔してやってる上司や先輩を見ると『カッコイイ……』と思ってしまいます。

 やっぱり大人ってカッコイイですね!

 僕もスーツを着て仕事をすれば自然とカッコイイ大人の男になれると思っていました。

 でも、そんなことないですね。

 僕も早くスーツの似合う大人の男になりたい! って日々思っていますが、僕がカッコイイ大人の男になれるのは、残念なことにまだ先のようです……。


 ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!

 

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