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168話 グラーシで喧嘩が終わらない!

 俺はグラーシに着き真っ赤に染まった海に驚かされていた。

 遠くの方では海のモンスターとプレイヤーが門をの傍で攻防を繰り返している。

 確かにネロの報告の通り、プレイヤーの数は少なく、今にもモンスターに押し込まれてしまいそうだ。

 原因の青竜はどこだ?

 門の近くにはいない。

 門のさらに遠くに青竜がいた。

 青竜の傍には2人のプレイヤーが倒れている。

 あれは……パレット!?

 それとニーヤさんまで!

 青竜は倒れている2人に向かって水の玉を発射しようとしている。

 やばい!

 2人も青竜にやられたのか倒れたままだ!

 逃げようと立ち上がるが、2人ともダメージが大きいのか再び倒れてしまう。

 近くにパレット達を助けられるプレイヤーはいない。

 俺が助けなくては!

「《魔弓術・氷》」

 俺は青竜の口に狙いを定め、青白い矢を引く。

「お前はこれでも食ってろ!」

 矢は放つと、一直線に青竜の口に向かっていき命中する。

 青竜の水の玉は爆発し、青竜にダメージを与える。

「ネロは門にいるマホーニカさんの所に行ってくれ。俺はパレットの所に行ってくる」

「分かったよ。青竜を倒してきてね」

「ああ、任せとけ」

 俺はネロと別れてパレットとニーヤさんがいるところに向かう。

 青竜は自分の爆発で倒れているので時間はありそうだ。

 

 俺がパレット達の所に到着すると起き上がろうとしている青竜の傍らで2人は喧嘩をしていた。

「ニーヤさん何で私を巻き込もうとしたんですか!」

「先に私を巻き込んだのはパレットの方でしょ!」

「巻き込もうとしていません! 押し付けようとしただけです!」

「同じことじゃない!」

「同じことではありません」

 2人の喧嘩を聞いてなんとなく分かった。

 これはパレットがニーヤさんに対して何かしらの悪いことをしたな……。

 俺は取り合えずパレットの頭にチョップしておく。

「いたっ!……げっ、アオさんやっぱり来ていたんですか」

「げっ、とはなんだ。ニーヤさんごめんなさい。またパレットが何かしたんですよね」

「アオは謝らないでいいわよ」

「そうです! アオさんが謝らないでください! 言っておきますが私は悪いことをしていませんからね!」

「悪いのはパレットでしょ!」

「いたっ!」

 ニーヤさんからもパレットは拳骨を貰う。

「このままどっちが悪いかきっちり討論したいところだけど……そうはさせてくれなさそうね」

「私が悪くない事を証明したいところですけど、ここはニーヤさんの意見に賛成ですね」

「ああ、今は青竜に集中しよう」

 俺達が話している間に青竜が完全に立ち上がってしまう。

「パレットこれを使いなさい。パレットの分も貰ってきてあげたわよ」

 ニーヤさんはパレットにMP回復薬を投げ渡す。

 パレットはそれもキャッチすると、MP回復薬の蓋を開けて一気に飲み干す。

「ありがとうござす、回復しました。でも、勘違いしないでくださいね。これで先程の件、許したわけではないですからね」

「そう。それは良かったわ。私もまださっきの件、許してないわよ」

「頑固ですね! MP回復薬を渡す位なんですから許してくれてもいいじゃないですか。まあ、許してもらう以前に私は悪くないですけどね」

「あの状況になったのはパレットが私に青竜を押し付けようとしたことが原因でしょ! いい加減、自分の比を認めなさい! 一言謝ってくれれば許してあげるのにどうしてそんなかたくなに謝ろうとしないの! 理解できないわ」

「また、喧嘩を始める気ですか? 私はいいですけどね」

「ええ、私だっていつ始めてもいいわよ」

 パレットとニーヤさんは再び喧嘩を始めてしまう。

 そろそろ喧嘩をやめてくれませんかね。

 青竜は2人の喧嘩が終わるのを待つことなく尻尾で攻撃してくる。

 俺はその尻尾を躱し、弓攻撃の適切な距離を取るために離れる。

「《お絵描き魔法・赤》熊さん!」「《ウィンドソード》」

 パレットは赤色の熊を一瞬で描き、ニーヤさんは風の剣を出現させ、青竜の尻尾を受け止める。

「邪魔しないでください!」「邪魔しないで!」

 そして、何故か青竜に逆ギレする。

「ニーヤさんとゆっくり話す必要がありそうですが、やはりこの竜を倒してからですね」

「そうみたいね。さっさとこの竜を倒してパレットとゆっくり話す必要がありそうね」

 これは……団結したってことでいいのか……?

 

読んでいただきありがとうございます!

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