16話 それでも俺は異世界に行きたい!
俺は神乃者勇。
俺の生活はある日突然変わった。
その日まで俺は普通の学生だった。
そう、あれと出会うまでは。
中学2年の春なんとなく手に取った一冊の本。
表紙には異世界と書いてある一冊の小説を読んで俺は衝撃を受けた。
そこには異世界に召喚される高校生が勇者となり世界を救う物語が書かれていた。
当時純粋だった俺は、俺も異世界に召喚されるかもしれないと思いその日のうちに近くの武道具屋で木刀を購入して木刀を振り始めた。
しかし、そんな純粋だった俺があの物語はフィクションだと知る日が来た。
フィクションだと知ったときはかなりショックを受けた。
ショックは受けたが俺の剣と魔法の異世界への憧れを止めることが出来なかった。
俺は憧れだけで高校2年の今日まで木刀を振り続けた。
そして俺は今本物の剣を振って、スライムやウシモーなどのモンスターと戦っている。
本物と言ってもゲームの中なので本物と言ってもいいかわからないが今俺は『ユウ』という名前で確かに剣を握って戦っている。
そう、ここは『チェンジワールドオンライン』という俺の願いが叶う場所だった。
俺はこの世界で勇者になる。
今日は学校をずる休みをし朝からモンスターと戦っている。
今まで木刀を振っていたおかげで初めに500Gで買った木の剣は問題なく振ることができた。
楽しい。
楽しい。
どうしようもなく楽しい。
今までは想像で振るしかなかった剣も敵意を持って立ち向かってくるモンスターによってどんどん研ぎ澄まされていくのがわかる。
そんなときダッグマッチトーナメントの通知が届いた。
丁度いい。
ここで俺の力をみんなに見せつけて一位を取り、俺がこの世界の勇者だと宣言する。
なんて完璧なプランなんだ。
自分で自分が恐ろしい。
しかし、1つ問題があるとすればタッグマッチに一緒に出場するパートナーを探さなければいけないということだ。
正直パートナーなんて誰でもいい。
なぜなら俺は強いからだ!
そうだ、俺は強くて未来の勇者になる男だ。
ならば自分でパートナーを探す必要もないだろう。
どうせ四方八方から声をかけられるに決まってる。
ならば今、俺がやることは更に強くなることだ。
そしてLV.32とレベルだけで言えば1位になったユウだったが本人はそんな事を知る由もなくひたすらモンスターとの戦いを楽しむのだった。
登場人物紹介に神乃者君を追加しました。
今登場人物紹介にいる人たちはもう少し後に出てくる予定です。




