１６５話 ジャッカリアとグラーシまでの途中でネロの報告！
「ネロ！ 状況を教えて欲しい！」
僕達はジャッカリアに着き、ネロにジャッカリアの状況と他の街の状況を聞く。
「待っていたよ。フータ。早速報告させてもらうよ。フータが向こうの僕から聞いているのは、キーラが現れたところまでだったよね。まず、ジャッカリアだけど、ここはキーラ達が召喚したドレスの化け物が黄竜を討伐した」
ネロの言うドレスの化け物とはあの僕達がハーマリで追いかけられた化け物で間違いないだろう。
「討伐した！？ キーラは敵として現れたんだよね？」
「うん。それは間違いないよ。でも、ドレスの化け物が黄竜の攻撃を受けた瞬間、ドレスの化け物は狙いを黄竜に変えたんだ。それで、そのまま黄竜は潰されたってわけ」
「潰された！？」
どういうこと？
黄竜の姿は見ていないけど、あの竜がそんな簡単に？
「あれは凄かったなー。ドレスの化け物が強いのなんのって！ でもね、その後はキーラとドレスの化け物は門を壊そうとして、総力戦になったんだ。そうしたら、急にフィールドスキルが切れて、化け物がいなくなるとジャックがキーラを連れて逃げちゃったんだ。というわけでジャッカリアの街は守られたよ」
なるほど……。
分かったような、よく分からなかったような……。
「まあ、ジャッカリアの街が無事だったならいいか。ネロ、他の街はどうなってる？」
「次はエルグランデかな？ エルグランデも結果から言うと街は守られたよ。先生が死にかけたり、べリアちゃんがかっこよく先生を助けたり、先生が楽しんだり、色々あったりして緑竜を倒したよ」
先生が死にかけたの！？
緑竜は相当強かったんだな。
でも、色々って……。
まあ、色々か……。
「そっか……。色々あったんだね……。まあ、こっちも無事でよかったよ」
「後はオトガルシアだね」
ネロはオトガルシアで報告は最後だと言うように話す。
「後はって？ グラーシは？」
「残念ながらまだグラーシの状況は分からないよ。まだ、僕の分身がアオとまだ走ってるから」
「まだなのか……。それならしょうがないね。オトガルシアの状況を教えて」
「了解！ ハーマリの僕はオトガルシアは勇者のお兄さんが赤竜を圧倒してるって言ったけど、勇者のお兄さんは赤竜に倒されちゃったんだ」
「倒された！？ あのユウが？」
ありえない。
あのユウが竜との１対１で負けるなんて。
１対１じゃなくても３対１でも負けなさそうなのに。
「うん。赤竜が空から巨大な隕石を落として、それから門とプレイヤーを守るために巨大隕石を一人で受けきって死んじゃった」
「それでどうなったの？」
「門はギリギリで耐えた。そして、勇者のお兄さんの意思を引き継いだファイヤさんが赤竜を倒してオトガルシアを守ったよ」
ファイヤさんが……良かった……。
「そっか。オトガルシアも無事なんだね。後はグラーシか……」
ジャッカリアからだと遠いけど、今すぐ向かおう。
「僕達もグラーシに向かおう。間に合うか分からないけど、僕達の力が必要になるかもしれない」
僕達はグラーシに向かうことにした。
グラーシも無事だといいけど……。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
俺はグラーシに向かって走り続ける。
隣にいるネロから先程から各街の状況が伝えられている。
一番初めに報告されたのは師匠の勝利だった。
流石は師匠！
師匠にとっては白竜も相手ではなかったということですね！
詳しい戦闘状況は聞いてないけど……。
でも、師匠なら余裕だったはずだ！
次はジャッカリア、エルグランデ、オトガルシアと次々に防衛成功の報告を受ける。
驚くような報告ばかりだった。
後はグラーシだけ……。
どうか無事でいてくれ。
俺とネロはグラーシの浜辺に到着する。
「こ、これは……。どうなってる？ 海が真っ赤だ……」
グラーシの海は真っ赤に染まっていた。
読んでいただきありがとうございます！
