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160話 ハーマリとジャッカリアの間で遭遇!

 僕達はジャッカリアの街に行くために岩山を進む。

 岩山は不気味なほど静まり返っていて、モンスターもプレイヤーもいない。

 ただごつごつとした岩があるだけだった。

「見て! 頂上だよ!」

 眠るクロを頭に乗せたままのレイクが嬉しそうな声を上げる。

「頂上ということはジャッカリアまで残り半分ってとこかな?」

「まだ半分かー。結構歩いたよ?」

「そうだね。疲れたけど急ごうか。僕達が遅れる分、ジャッカリアがどうなるか分からなくなる。」

「そっか! 早くいかないと!」

 レイクは頂上まで駆けていく。

 僕達もレイクを追いかけて頂上まで走る。

 頂上からはジャッカリアの街が見え、街の周りの荒れ地も一望できる。

 プレイヤーの数が少ない。

「竜は?」

「いない……ね」

 レイクが答える。

「キーラとジャックは?」

「それもいませんね」

 あんこが答える。

 ジャッカリアの街はどうなったんだ?

「そうだ門! 門はどうなってる?」

「壊れてないわよ」

 ゆきが答える。

「壊れてないッス!」

 クロ起きてたのか……。

 そんなことより、門は壊れていない。

 よかった。

 そうなるとカレンダさんとトンドットさんは黄竜とキーラの両方を倒したのか?

 疑問ばかり出てくる僕達の前にジャッカリア方面から岩山を登ってくる人が現れる。

「おい! いい加減下ろせ! こんな姿誰かに見られたら……あ……」

「あ……」

 僕はジャックに担がれたキーラと目が合う。

「良く来たなおこぼれ王子! まんまと俺様に倒されに来たとは馬鹿な野郎だ!」

 担がれた状態のままキーラが言う。

「……その格好で言われてもね……」

「格好付かないから取り合えず降ろしてもらったら?」

 レイクが呆れた様子で言う。

「降ろせ」

「了解、リーダー」

 ジャックはゆっくりとキーラを降ろす。

「良く来たなおこぼれ王子! まんまと俺様に倒されに来たとは馬鹿な野郎だ!」

 降ろされたキーラはさっきと同じことを言う。

「同じこと言ってもダメだからね? もうさっきの取り返しはつかないよ」

「そうだぜリーダー。見てるこっちが恥ずかしいからやめてくれ」

「キュー」

 きーこが僕の袖を引っ張て何かを伝えようとする。

「ん? きーこ、どうしたんだ?」 

 僕はしゃがんできーこと目線を合わせる。

「キュー」

 きーこはキーラ達の方へ行く。

「ちょ、ちょっと待って! そっちは危ないよ!」

「キュー!」 

 僕の言うことを聞かずきーこはキーラ達の方に到着する。

 きーこはジャックとキーラの隣の何もないところの目の前に立つ。

「キュー」

 きーこが手から木の根を出すと、何もないところに伸ばす。

 すると木の根に何かが拘束される。

「は、放してくださいー!」

 かなり小さい叫び声が聞こえた。 

 多分この声はモンスター達がいない今だから聞こえた声で普段だったら絶対に聞こえてないだろう。

 それ位、小さい声だった。

「透子ちゃんの居場所がバレてる!?」

 どうやらきーこが拘束した何かは透子ちゃんと呼ばれているらしい。

 そういえば【10人の王様】の話の中に恥ずかしがり屋の透明人間がいるって書いてあったな。

 『黄昏の王』の従者って書いてあったし、恐らく透子ちゃんと呼ばれているのは透明人間の従者なのだろう。

「クソ! 透子に後ろからマヒ状態にできるナイフで刺してもらったところを、俺が倒す作戦だったのに台無しだ!」

「だから……リーダーここは逃げるしかないぜー」

 キーラはまたジャックに担がれると、僕達の横を通り過ぎていく。

「何でまた逃げなくてはならない!?」

「リーダーは今何もできないだろー。おこぼれ王子と戦ったら瞬殺されるぜー。ということだから、透子ちゃんは頑張ってくれ! それじゃあまた会おうぜー!」

 そう言い残してキーラとジャックはいなくなる。


「キュー?」

「この人をどうするのかって? かわいそうだから放してあげて」

「キュー!」

「ま、待ってくださいー!」

 またこちらもかなり小さな叫び声で、姿が見えなくなるほど遠くに行ってしまった、キーラ達を追いかけて行った?

 姿が見えないから実際はどうなのかは分からないや。

 キーラ達は放っておいていいだろう。

 ジャックがキーラは今何もできないと言っていた。あのドレスの化け物も召喚できないのだろう。

 なので今日のところは放っておいても害になることはないだろう。

「僕達はこっちのネロに状況でも聞こうか。

 

 僕達は岩山を下りて、ジャッカリアにいるネロの分身に話を聞く。

「ジャッカリアはどうだったの? 僕達はピンチだって聞いて来たんだけど……」

「黄竜はキーラの出した化け物が倒しちゃったよ。黄竜を倒した後、あの化け物と対峙してほとんどのプレイヤーは殺されちゃったけど、防衛は成功だよ。残り少ないプレイヤーでまだ動ける人達はオトガルシアに向かったから、カレンダさんとトンドットさんもそっちに行ったよ」

「そっかー。良かったー。これで2つの街は守れたね。他の街の状況も教えてもらっていい? 僕達がジャッカリアに来るまでの間に何か変わったことがあるかもしれないし」

「他の街はね……」


読んでいただきありがとうございます!

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