155話 ハーマリで白竜と戦闘開始!
2匹の白蛇を倒した僕達は白竜の元に辿り着く。
悠々と遠くを見ている白竜が足元にいる小さな僕達に気づくことはない。
それとも僕達に興味がないのか……。
「クロ」
「分かってるッス!」
ここでクロの2回目のブレスを使う。
白竜はいきなり目の前で大きくなった黒竜に驚き1歩下がる。
下がった時にはクロの攻撃準備が完了し、クロのブレス攻撃が白竜に直撃する。
「グギャャャャャーーーー!」
白竜の叫びがハーマリの平原に響く。
しかし、クロのブレス攻撃1発で倒れる事はなく、白竜はすぐに体制を立て直すと、正式に僕達を敵と見据える。
さっきの白蛇と同様に白竜の目が僕達を捉えて放さない。
白竜は大きく口を開けると光を溜め始める。
ブレス攻撃だ。
これは予想できた攻撃なので対処法は考えてある。
「《森の目覚め》《植物操作》」
《森の目覚め》で出来るだけここに森を展開し、《植物操作》で地面から木の根を一気に、僕達にブレス攻撃を当てるために下げてある白竜の顎目掛けて伸ばす。
木の根は見事に白竜の顎に命中して、ブレス攻撃は天高く飛んでいく。
このブレス攻撃による被害はゼロ。
「よし! みんな散らばって攻撃だ!」
僕達は散らばると四方八方から白竜を攻撃する。
「《森の目覚め・攻》」
《森の目覚め・攻》でさらに攻撃の手数を増やす。
僕は剣を抜き白竜の足を切りつける。
結構力を入れて切ったはずだけど、浅い傷しか付かない。
レイクはどこから登ったのか、白竜の背中の上で白竜を殴っている。
あんこは白竜に噛みついたり体当たりなどで白竜のHPを削る。
クロは……白竜の頭のところでうろちょろしている。
意外とこういうクロの動きが大切だったりする。
現にクロが白竜の注意を引いてるおかげで僕達は自由に攻撃できている。
しばらくクロに翻弄された白竜だったが、さすがに僕達が鬱陶しくなったのか尻尾や爪で僕達がどこにいても関係ないと言わんばかりにめちゃくちゃにここらあたりを攻撃する。
その結果レイクは背中から落とされ、僕の展開した森も破壊された。
白竜の攻撃に巻き込まれないように僕達は少し離れる。
暴れ終わった白竜の後に残ったものはぐちゃぐちゃになった僕の森だけだった。
「《森の目覚め・攻》」
ぐちゃぐちゃになった森の中に再び自動攻撃をする木を生やす。
しかしそれも白竜の尻尾の一振りですぐに折られてしまい、木の残骸が残る。
「《森の目覚め・吸》」
今度は《森の目覚め・吸》で少しずつ白竜のHPを奪っていく作戦だ。
これが上手くいけばいいんだけど……。
やっぱりすぐに折られてしまう。
こちらも残骸となって、どんどん木の残骸が積み重なる。
「《森の目覚め・吸》」
再び全開に森を展開する。
木達は白竜のHPとMPを奪おうと根や枝の伸ばせるところを伸ばし白竜に巻き付こうとする。
全開で森を展開したので、白竜に破壊される前に辿り着いて巻き付く木もあるが、巻き付いても白竜が少し動くだけで切れてしまう。
でもこれでいい。
HPもMPも少しづつだけど奪えている。
後は僕が気を引いてるうちに皆に攻撃して少しでも白竜のHPを減らしてもらおう。
「レイク、あんこ!」
「分かってるよ!」
「分かっています」
僕が具体的な指示を出す前に、レイクとあんこは動き出して白竜に向かう。
僕は《森の目覚め・吸》を出し続け白竜の邪魔とHPの吸収をする。
白竜は僕の木の対処に追われて、あんことレイクまで攻撃がまわらない。
このままいけば倒せる。
あんことレイクは白竜の足を重点的に行動して白竜の機動力から奪おうとしている。
しばらくこれを続けていると白竜が膝をつく。
あんことレイクが重点的に攻撃してくれたおかげで白竜に膝をつかせることが出来た。
「グギャャャャャーーーー!」
再び白竜が叫ぶ。
その場から動けない白竜は叫ぶことしかできない。
もうすぐ倒せるか?
そう思った瞬間、白竜の周りに光の球体が現れる。
「何だあれ?」
5つの光の球体が白竜の周りを守るように、空中で漂っている。
「あんこ、レイク一旦戻ってきて!」
何か分からない光の球体に不安を感じた僕はあんことレイクを一旦呼び戻す。
このまま倒し切りたかったがあの光の球体が何か分からない限りはうかつに動けないな。
そう考えてる僕だったが、白竜がすぐに光の球体の正体を教えてくれる。
一つの球体が他の球体よりも強く輝くと、僕達目掛けてレーザーが飛んでくる。
「避けろ!」
とっさに避けた僕たちのいた場所には焦げた跡が残っている。
他の4つの球体も輝き4本のレーザーが僕達を襲う。
後ろに大きく飛び回避する。
白竜の目はしっかりと僕達を捉えていて、初めよりも視線が鋭くなっている。
なるほど。
今からが本番って訳ですか……。
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