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145話 街を守る者達!

「ここにいるメンバーで中心になって各街に現れる竜を討伐してもらいたい!」

「そもそも、俺は言われる前から竜をぶっ倒すつもりだぜ? そうだなー、やるならあの赤竜と戦いてーな!」

 ユウはカッカと笑いながら気楽に言う。

「どの竜がどの街に現れるかは、分かってないでしょ?」

「それもそうか。だったら全部の竜を倒してーな!」

 いやいや、何がだったらなのか分からよ?

「真剣な話し合いなんだから、あんたは黙ってなさい」

「俺だって真剣だ!」

「あんたは真剣でも、側から見ればバカ丸出しだから、黙ってなさい」

 ニーヤさんにバカ丸出しと言われたことで、ユウが静かになり、会議が進む。

「どこの街を守りたいか、希望があったら言ってくれ。なるべく希望通りになるようにする」

「そうだな……。なら我々『狩人』はエルグランデを守らせてくれ。あの街にギルドハウスを購入したばかりなんだ。壊されるわけにはいかない」

「それで言ったら私達『魔法研究所』はグラーシを守りたいわー。私達もあそこに家があるのよー。それとそこのニーヤちゃんとパレットちゃんも貰えないかしら?2人とも魔法使いでしょ?イベント中だけでも一緒に戦いたいわー」

「と言っているが二人はどうだ?」

「私は……」

 ニーヤさんはユウの方を見て困った顔をする。

「ん?別にグラーシに行けばいいだろう。ニーヤなら問題ない」

「そう。いいわ。私も一緒に戦いましょう」

 そしてパレットはどうするんだろう?

 ファイヤさんは『フォレスト』は分かれて戦って欲しいと言ってたけど……。

「フータさんグラーシに行ってもいいですか?」

 パレットが僕に聞く。

「うん。いいよ。存分に戦っておいで」

「はい。ということで私もグラーシで戦わせていただきます」

「ちょっと待ったー!」

 ここに待ったをかけたのはトンドットさんだ。

「パレットのお嬢ちゃん種族はドワーフじゃろ? それなら儂の所じゃろ。どうだ嬢ちゃん儂のところで一緒に戦わないか?てか、『ドワーフ軍団』に入らないか?」

 勧誘!?

「ずるいわー。勧誘するなんて。それなら私達も、どう? パレットちゃん私のギルドに入らない?」

 こっちも勧誘!?

「パレットは私達のギルドだよ! 何処にも入らないよ! ねえ、パレット!」

 こっちはレイクで対抗だ。

 3人がパレットを引っ張り合い、もみくちゃになっている。

 ここで問題の中心のパレットを見てみよう。

「悪くないですね……」

 パレットの顔はホクホクしていた。

 楽しそうでよかったです……。


 ひと悶着あったが、パレットとニーヤさんがグラーシで『魔法研究所』と一緒に戦い、パレットは『フォレスト』を辞める事は絶対にない、ということで落ち着いた。

 始めは嬉しそうな顔をしていたパレットだったが、絶対に抜けないという言葉をパレット本人の口からきけて僕は少し嬉しかった。

「脱線したが戻るぞ。他に希望は無いか? そうだ『フォレスト』は分かれて戦ってもらうと言ったが一人で竜の相手をするのは辛いだろうから、一つの街に2人位なら大丈夫だぞ」

 2人か……。

 いつもならアオだけど、『フォレスト』のメンバーならだれでも大丈夫だな。

「俺はオトガルシアがいい!王都だから一番強い竜が来そうだ!」

「ユウは王都希望だな。分かった!実は『炎の王国』も王都希望だから一緒に戦ってもらってもいいか?」

「いいぞ。俺は勝手に戦うけどな」

 人数的にこれでグラーシとオトガルシアは埋まったので後はハーマリ、『狩人』がいるエルグランデ、まだ僕達が行ったことのないジャッカリアだけだ。

 僕が行くとしたらここしかないな。

「僕はハーマリを希望するよ」

 僕達の家があるのは厳密に言えばハーマリの街の中ではないのだが、一番思い入れがあるのも訪れるのも、ハーマリなので自分の手で守りたい。

「皆もいいかな?」

 僕は振り返り皆に確認する。

「いいですよ」

「私もハーマリを守りたいですが、フータ君に譲りましょう」

「フータ、私もハーマリを守っていいかな?あんこちゃん達の街を絶対に私も守りたいから!」

 レイクが僕を見る目は真剣だ。

「うん。いいよ。一緒にハーマリの街を守ろう」

「ありがとう!」

「ファイヤさんもいいかな? 僕達がハーマリの街で」

「おう。いいぞ! するとー、残りは『拳闘士団』、『ドワーフ軍団』、アオ、先生だな。何処がいい?」

「では、私達『拳闘士団』はジャッカリアの街を守ろう。それと『フォレスト』の助けなどいらない。私達は助けなどなくても竜を倒せる」

「そうか……。分かった! だったら『拳闘士団』にジャッカリアの街を任せよう。だが『ドワーフ軍団』の力は借りてくれ。いいか?」

「仕方ない。そこだけは聞いてやろう」

「儂の意見は!?」

「よろしく頼む」

 ファイヤさんがトンドットさんに頭を下げる。

「むむ……。そこまでされては仕方がないの。儂らはジャッカリアの街を守るのじゃ」

「キッカー率いる『中小ギルド連合』はバランスよく各街に散らばってくれ。『中小ギルド連合』は集まれば『炎の王国』よりも数が多いからな」

「了解した。そのように手配しよう」

「そうなると俺と先生はエルグランデですね」

「そうなりますね。頑張りましょう」

「はい!」

 これでこの場にいる全員の配置が決まった。

 ……と思ったけどネロが決まってないよね?

「ネロはどこの街に行くの」

「全部だよ?」

「なるほど。全部か……全部!? どうやるの!?」

「こうやる。《分身》」

 ネロがスキル名を言う。

「ネロが増えた!」

 ネロが2人なり3人になりやがて5人になる。

「「「「「当日はこれで各街を見て皆に情報をいち早く伝えるからよろしくね」」」」」

 なんか見てはいけない物を見てしまった気分だ……。

「「「「「《解除》」」」」」

 ネロが1人に戻る。

 ネロ……とんでもない人かもしれない……。


今回も読んでいただきありがとうございます! 

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