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135話 使い魔達が暮らす世界!

 クロ……。

 二号さんからの第3回イベント詳細を見た僕達はクロをじっと見つめる。

 二号さんの通知には6匹の予定が1匹プレイヤー側に寝返ったと書いてあった。

 これは間違いなくクロの事だよね?

 そのことは皆分かっているのか黙ってクロを見つめる。

 さっきまで騒いでたレイクまで黙って何か言いたげにクロを見つめる。

 「な、なにッスか?そんなに見つめられると……」

 僕達はなおもクロを見つめる。

 「そんなに見つめられると照れちゃうッス」 

 そう言うクロは頬を赤らめる。

 全員一気に脱力した。

 もういいよ……。

 分かってないのはクロだけみたいだ。

 そんな能天気なクロは放っておいて僕達は第3回イベントについての話を始める。

 「まず確認したいのは寝返ったってことはクロは味方という認識でいいんだよね?」

 レイクが聞く。

 「それはいいと思う」

 「本人の反応を見る限り間違いないでしょう」

 「そうですね。あの反応なら心配いらないと思います」

 「そもそもクロさんてそんなに強いんですか?」

 元のクロの姿を知らないパレットが言う。

 「そっか。パレットは『宝探しゲーム』の時のクロを知らなかったね。今日も何回かあったと思うけどクロがブレス攻撃をするとき大きくなったでしょ。あれが本来のクロの姿で今は強すぎるから制限されて小さい姿のままなんだ。『宝探しゲーム』の時は大きい姿のまま何度もブレス攻撃、尻尾で薙ぎ払いでクロを討伐しに行ったほとんどのプレイヤーがやられたよ。今はこんなだけどあの時は本当にすごかったんだ」

 「クロさん……いつも寝ているだけのぐうたら竜ではなかったんですね」

 ぐうたら竜って……。

 いつもの姿を見ていれば仕方ないか……。

 クロ言われてるよ?

 そう思ってクロを見るとクロは僕がさっきまで褒めていたので嬉しそうな顔をしている。

 それでいいのかクロよ……。

 「今回のイベントはクロみたいな竜が5匹いるってことですよね?」

 「そうだと思う。さっき襲撃された赤いドラゴンはこのイベントの赤竜の可能性が高いかも。でも、通知に書かれていたのはイベントの当日だけと書いてあったはず……」

 「大方イベントに向けたデモンストレーションといったところでしょう。姿や強さを見る限りあれは赤竜で間違いないはずです。今回はモンスターを100匹まで減らぜば勝利という内容でしたが今度はそう簡単にいきませんよ。5匹の竜が街を襲うとありましたが土曜日のいつ現れてどの竜がどの街を襲うという記載はありませんでした。私はただの1つも街は破壊させません」

 先生は静かに強く最後の言葉を言う。

 多分先生と僕は同じ気持ちだ。

 「使い魔という家族が暮らすこの世界を壊されるわけにはいかない!」

 「その通りです。私達が暮らすのはこことは別の世界ですがチェイスさんやべリアちゃんが暮らすのはこの世界です。そして、この世界を守れるのは私達プレイヤーしかいません」

 いつも笑顔の先生だがこの時だけは笑っていない。

 そんないつもとは違う先生の雰囲気と言葉に僕以外のアオ、レイク、パレットは息をのむ。

 「そのためにはチェンジワールドオンライ全プレイヤーで協力しないといけないでしょう。フータ君そろそろメールが来ると思いますので、私達はその会議に必ず参加しますよ」 

 「メール?」

 

 ピロン♪


 本当に来た!?

 メールはファイヤさんからだった。

 内容はこうだった。


 [第3回イベントに向けて会議を開こうと思う。『フォレスト』も全員で参加して欲しい。日程は希望があったら教えてくれ]


 僕達はこの会議に参加するという返信のメールを送った。


 僕はあんことゆきとクロときーこの住むこの世界を絶対に守らなければならない! 

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