131話 アイちゃんからの緊急依頼!
暴走していたユウはニーヤさんに正座をさせられ、僕達はニーヤさんから話を聞く。
「ここで何が起きてるのか知っていたら教えて欲しいんだ。さっきついたばかりで状況がつかめてなくて……」
「あれ?アイちゃんから緊急依頼のメールが来なかった?私たちは坂を登って街を見た瞬間に来たけど……」
ニーヤさんが首を傾げて言う。
ピロン♪
聞きなれた通知音が鳴った。
アイちゃんからのメールの音だ。
「あ……来た……」
「俺もです」
「私もー」
「私も来ました」
「少々遅かったですね」
どうやら皆も今来たらしい。
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やっほー♪
みんなー元気かなー♪
今、王都『オトガルシア』はモンスターの大群に襲われていつ崩壊してもおかしくないんだぞ♪
だからここでアイちゃんからの緊急依頼だぞ♪
モンスターからこの街を救ってほしいぞ♪
砦の門がモンスター達に壊されて王都に侵入されるとプレイヤーの負け♪
王都は崩壊して街は消滅するぞ♡
この平原にいるモンスターを100匹まで減らせばプレイヤーの勝ち♪
王都は存続して街の中に入れるようになるから頑張って欲しいぞ♪
100匹まで減らせばモンスター達はあきらめて逃げ始めるからそこまで頑張って欲しいんだぞ♪
ちなみに君たちにこのメールは送るのを忘れてたわけではないぞ♪
ただちょっと送るのが遅くなちゃっただけだから、これ以上このことを詮索するとどうなるか分からないぞ♡
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どうなるか分からないって……。
これ普通に忘れてただけだよね……。
ピロン♪
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どうなるか分からないぞ(死)
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どうなるか分からないって、これ死亡確定でしょ!
これ以上は考えないようにしよう。
自分の命が惜しい。
それにしても久しぶりに(死)を見たな……。
初めてのメール依頼かな?
ちょっと懐かしいな。
「メールを見てもらえたら分かると思うけど私たちはこのメールが来たからモンスターを100匹まで減らしていたの。入り口の近くにいる人たちはモンスターを侵入させないように守っている人達ね。モンスターに侵入されるとプレイヤー側の負けになるから一生懸命守っているわ。さっきからこのバカもかなりの数のモンスターを倒しているけどあまり減っている感じはしないわね。とにかくあなた達もモンスターを倒しなさい。プレイヤーの数は多ければ多いほどいいわ」
周りを見てモンスターの数を見積もる。
ぱっと見て500は軽くいる。
街の向こう側は見えないので今見えている倍の数はいるだろう。
多いな……。
これを100匹まで減らさないといけないのか。
「分かったよ。僕達も協力してモンスターを倒して数を減らそう。それぞれの判断で動いてもらっていい。必ずこの街を救って街の中で会おう!」
「了解です!」
「了解だよ!」
「分かりました」
「久しぶりに暴れてきますかね」
アオとレイクは入り口の方へ向かう。
先生はべリアちゃんとチェイスさんを連れて街の裏側に向かうのか遠くの方へ行ってしまった。
さて、僕も行くとしますか!
「お前は俺と来い!」
僕が行こうとすると正座をしているユウに呼び止められた。
「俺が剣の使い方を見せてやるよ。俺について来い。そして真似してみろ。多少はフータの下手糞な剣の使い方がましになるはずだ」
言い方はあれだがこれはユウの剣の使い方をまじかで見れるチャンスか……。
「分かった。ユウに着いていくよ」
「私もついていきます」
さっきどこかに行ったはずのパレットが僕の後ろに立っていた。
いつの間に!?
「いいぞ。ちゃんとついて来いよ」
ユウは快諾する。
パレットはユウの言葉に無言で頷く。
そうなるとニーヤさんはどうするのだろうか。
「私も一緒に行くわ。このバカを放っておくとまた暴走しそうだしね」
「さっきからバカバカひどいな。そこまでバカではない!」
「いや、あなたはバカよ。正真正銘のね」
ニーヤさんが飛び切りの笑顔で言う。
「そんなに!?」
そんな会話をしている正座中のユウの後ろからモンスターが迫ってきている。
ユウはそのモンスターを振り向く事なく剣を抜いて切り倒すと立ち上がる。
「よし、行くか」
そう言うユウがちょっとカッコイイと思ってしまった……。
ほんのちょっとだけね。
本当にちょっとだけだから!




