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117話 中央に到着!

 俺とパレットで巨大ナメクジを倒していき順調に進んでいたが、中央近くまで行くとやはり、いつの間にか巨大ナメクジに囲まれていた。

 「《お絵描き魔法・青》くまさん、お願いします。」

 「《魔弓術・氷》。パレット、その《お絵描き魔法》後に着く赤とか青って何なんだ?」

 巨大ナメクジに囲まれていて弓で攻撃している状況だが、気になったので聞いてみる。

 「色ですけど……。」

 パレットが不思議そうな顔をして答える。

 それは分かってる!

 「そうじゃなくて、その色にどういう効果があるのかを聞きたいんだよ!」

 「そっちですか。色に効果、あります。基本的には赤が力、青がスピード、黄色がクリティカル、緑色が回復です。」

 なるほど、だから赤色のゴリラよりも青色の熊の方が動きが速かったのか。

 あのゴリラは動きは遅かったけど力は強かった。

 青色の熊は力はそこまで強くないけどスピードがあった。

 「これらの色を組み合わせて紫色にすると力とスピードがある絵が描けます。流石に赤単色の時よりも力は落ちますし、青単色の時よりもスピードは落ちますけど。」

 そんなことまで出来るのか!

 《お絵描き魔法》意外と万能なのかも。

 「そしてこれが最後になりますが、黒色も存在します。」 

 黒色……。

 いったいどんな効果が……。

 「全てが平均的な絵が描けます。面白くないのであまり使うことは無いですね。」

 ちょっと期待していただけに俺はがっくりと肩を落とす。

 「どうしたんですか?」

 肩を落とす俺の姿を見てまたパレットが不思議そうな顔をする。

 「二人ともお話が弾んでるのは分かるけどもう少しナメクジに集中しない?数が増えてきてるよ!」

 どこをどう見たら今の会話が弾んでいるように見えるのかじっくり聞きたいがナメクジたちがそれを許してくれなさそうだ。

 「中央へ向かうのに邪魔になるナメクジだけを倒していくぞ!ここからは中央まで足を止めるな!パレットは青色熊で目の前の邪魔になるナメクジを倒していってくれ。レイクは周囲の警戒。危険そうな奴が近づいて来たらすぐ俺に報告してくれ。俺は目の前のナメクジを倒しつつレイクの指示で危険な方を優先する。」

 「分かりました。」

 「了解!」

 

 俺達は囲まれている状態から目の前にいる1匹だけを倒して走り出した。

 「くまさん、行きますよ。」

 「グァーー!」

 パレットの指示で青色熊は走り出す。

 青色熊が先行して邪魔になりそうなナメクジだけを散らしていく。

 今回の熊も爪が刃のようになっている。

 「アオ!右から接近中だよ!」

 「了解!」

 俺はレイクの言った右から接近するナメクジを《魔弓術・氷》で粘液を凍らせてからいつものように倒す。

 「次、左!あっ!後ろも来てる!」

 「左は何とかする!後ろは避けろ!」

 左のナメクジを倒している間に後ろからきているナメクジがすぐ傍まで接近している。

 突進して俺達を押しつぶそうとしているナメクジを俺達は左右に分かれて、かろうじて避けると避けた先には俺がここに避ける事を予知していたかのようなタイミングで突進して来ているナメクジがいた。

 しまった!

 避けられない!

 ここで軽い衝撃が俺を襲う。

 何かに突き飛ばされた!?

 俺を突き飛ばして助けてくれたのは青色熊だった。

 青色熊は俺の代わりにナメクジの下敷きになって絵の具に戻ってしまった。

 ありがとう、青色熊。 

 君の思いは決して無駄にはしない!

 「感謝するなら私に感謝してください。くまさんに指示を出したのは私です。」

 「青色熊ありがとう。」

 「感謝する相手間違ってます。」

 「二人とも無事なら早くいくよ!」

 俺達を追いかけるナメクジの大群は見る限り20匹を超えている。

 カラフルなナメクジたちは俺達を押しつぶそうと全力で追いかけてくる。

 中央まで行ったとしても中央が安全だという保障はあるのか?

 「アオ、左!」

 今はそんなこと考えても仕方ない。

 とにかく中央を目指せ。

 左からくるナメクジを倒して弱気な気持ちを消す。

 「何が何でも中央に行くぞ!」


 走り続けて中央付近まで来た。

 未だにナメクジは俺達を追いかけ続けていて、パレットの青色熊もいないので俺達はいつナメクジに押しつぶされて死んでもおかしくない状況だ。

 なおも走り続けていると景色が変わる。

 木ばかりだった景色が崩れた石柱や崩れかけの石柱などが立ち並ぶ場所に入った。

 ゆっくり観察したいがナメクジに追いかけられているので後ろも振り返らず駆け抜ける。

 「アオ、ストップ!」

 「レイク止まるな!」

 「レイクさん止まったらそのままナメクジの晩餐になりますよ。」

 「ならないよ!」

 「いや、なるだろ。」

 「だから、ならないよ!もういい加減2人とも後ろ見て!追いかけてきてないよ!」

 レイクがそう言うので振り返って後ろを見る。

 「本当だ。1匹もいない。」

 さっきまで50匹はいただろうナメクジが1匹もいない。

 「いつからですか?」

 「この石の柱が出始めた時からだよ。全員帰って行ったよ。」

 「帰った?」

 「うん。ピタッと止まったと思ったら逃げるように帰って行った。」

 なるほど。

 「2人とも警戒を怠るな。この先ナメクジよりも厄介なモンスターが居るかもしれない。」

 2人は俺の言葉に頷くと探索を始める。

 といっても探索はすぐに終わった。

 よく見ると気がなくて開けた場所に石柱がいくつも立っているだけだったので見渡すだけで状況を確認する事が出来た。

 なので、それもすぐに見つける事が出来た。

 マップを開いて位置を確認する。

 円形の島のど真ん中。

 石柱が立ち並ぶ中で転送用ポータルが異質に輝いていた。

 

 

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