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114話 『宝探しゲーム』5位!

 今日も学校で師匠と勉強をした帰り道、俺はあの島をどうやって攻略するか考えていた。

 昨日はナメクジに押し潰されて死んでしまった。

 あのぬめぬめを想像すると今でも鳥肌が立つ。

 正直二人であの島を攻略するのは厳しいと思った。

 中心まではまだ距離があり、あのままナメクジの数が増え続けるとしたら、とても二人では対応しきれない。

 二人といってもナメクジと戦うのはほとんど俺一人みたいなものだけど……。

 もし中央にボスがいたときはレイクに頑張ってもらおう。

 人数を増やすしかないよなー。

 あのナメクジたちとも戦えそうな人、知り合いにいるかな?

 しばらく考えた後、俺は一人の人物に辿り着いた。

 そうだ!

 今日ログインしてギルドハウスにいたら誘ってみよう!

 

 「早速今日も島攻略行っちゃう?」

 グラーシの教会の前で待っていたレイクはログイン仕立てでもテンションが高い。

 学校でもずっとこんな感じなのによく疲れないな。

 「いや、今日はギルドハウスによってからだ。」

 「ギルドハウス?何で?」

 「パレットも連れて行こうかと思ってる。」

 「それいいね!でも、パレットも連れて行ってアオの負担が増えない?ただでさえ私はナメクジと戦うとき何もできないのに……。」

 俺の負担が増えるか……。

 レイクは本当に何も知らないでパレットを『フォレスト』に勧誘してきたんだな。

 俺の記憶が正しければパレットは『宝探しゲーム』5位の実力者だ。

 同じ名前のパレットがいないとも限らないけど。

 だけど本物の5位のパレットならきっと戦力になるはずだ。

 「まあ、俺がパレットを連れていく理由は本人から聞け。」

 「どうしてパレットから?」

 パレットの正体は本人から聞いた方がいい。

 そしてレイクの驚く姿が見たい。

 「ニヤニヤしてないで答えてよー。」

 悪いことを考えている俺にレイクの言葉は届かなかった。


 グラーシにある転送用ポータルでギルドハウスに帰るとリビングのソファーでかつてのレイクのようにくつろぐパレットがいた。

 この子、最近このギルドに入ってきたばっかりだよね?

 それにしてはくつろぎすぎじゃない?

 「おかえりなさいアオさん。島に行っていたのでは?」

 あんこが俺達を迎え入れてくれる。

 「ちょっとパレットも一緒に連れて行こうと思って戻ってきたんだ。」

 「そうですか。島攻略頑張ってくださいね。」

 「ありがとう。師匠はもうしばらく勉強でこっち来れないと思うから……。」

 「分かってます。頑張くださいとお伝えください。」

 あんことゆきとクロときーこも俺達が一緒の学校だったことを知っている。

 この前師匠が嬉しそうに話しているのを俺は目撃した。

 あんこと軽い会話をしていたら、会話の途中にも関わらずレイクがあんこを抱きかかえて、そのままゆきときーこの方へ行ってしまったので俺はパレットの方へ行く。

 「パレット今日時間あるか?」

 「ないです。私はとても忙しいのです。」

 ソファーに寝っ転がっているパレットはとても忙しいようには見えない。

 「俺には忙しいように見えないんだけど……。」

 「はぁー。分かってませんね。私はごろごろするので忙しいのです。邪魔をしないでください。」

 ダメだ。

 これはギルドハウスを購入したばかりの時の皆と一緒だ。

 どうにか連れ出せないかな?

 こうなったら一か八かだ!

 「一緒に来てくれたらアメを上げるぞ。」

 「……。私の事バカにしてますか?」 

 やっぱり駄目だったか……。

 すっごい冷めた目で見られた。

 仕方ない。

 正直に言ってダメだったら諦めよう。

 「『宝探しゲーム』5位の君の力を借りたい。どうか協力してくれ。」

 「パレットが5位!?」

 丁度のタイミングできーこを抱えてあんことゆきを肩に装備したレイクが戻ってきた。

 このことはパレット本人から聞いてレイクがもっと驚くはずだったのに。

 まあ、ちゃんと驚いたからいいか。

 「パレットが5位って本当!?あれ?でも、5位って確かせんせ……。」

 「いかにも!私が『宝探しゲーム』5位のパレットです!その5位の私に頼み事とは何ですか?」

 レイクの言葉を遮って急にパレットが元気になる。

 パレットはソファーの上に立ち仁王立ちで胸を張って腰に手を当てた。

 「すごい!ほんとに5位なんだ!そんなパレットがいたら百人力だね!」

 「そうです!おそらくこのギルドで一番強い私がいればどんなことでも解決できます。」

 あれ?

 なんかこのまま褒め続けていたら連れ出せそうな気がするぞ。

 レイク頑張れ。

 「そうだね!『宝探しゲーム』5位のパレットがいれば何でもできるよ!」

 そうだと言わんばかりにパレットは大きく首を縦に振る。

 「ちなみに私は『宝探しゲーム』4位だったよ!」

 「え?」

 「それでフータが1位ね!」

 「え?」

 「よし行こう!島攻略に!」

 「ちょっと待ってください。」

 「待たないよ!」

 待ってというパレットをレイクは担ぐとギルドハウスにある転送用ポータルでグラーシに行ってしまう。

 「じゃあ行ってくる。」

 「行ってらっしゃいませ。」

 あんこ達に行ってくると伝え、俺も転送用ポータルに入ってグラーシに行く。

 俺もパレットに最後に言わないといけない事があったのでパレットを担ぐレイクに追いつく。

 そしてパレットの耳元で言う。

 「パレット、君から5位を奪ったのもこのギルドいる先生だよ。」

 「え?」

 

 何度目かの「え?」を聞きながら俺達3人は島攻略に向かうのだった。

 

昨日、誤字報告をしてくださった方、本当にありがとうございます!


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