104話 その声を私が聞き違えるはずがない!
今日は寝不足で眠たい。
夢の中であんこちゃんとゆきちゃんが大量に出てきて私の上にどんどん乗っかる夢を見た。
幸せだったけど押しつぶされるたびに目が覚めて寝不足というわけだ。
寝不足だけど気分は最高!
朝から鼻歌を歌いスキップして学校へ登校していると近所のおばあちゃんに見られていて少し恥ずかしかった。
「おはよう!」
学校に着いて元気よく挨拶をしながら教室に入る。
「おはよう。朝からテンション高いねー。何かいいことでもあった?」
友達が挨拶を返してくれる。
「実はねー、とってもいい夢を見たんだ!」
「へー。でも何でそんなに眠たそうなの?」
「夢の中で寝っ転がってたら超可愛い黒色のうさぎと白色のうさぎが私の上に乗っかって押しつぶされる夢を見たんだー。」
「お、おう……。そ、それはよかったな……。」
友達は微妙な顔をしたがあんこちゃんとゆきちゃんの可愛さを知ったら友達もきっと理解できるのに。
でも私はあんこちゃんとゆきちゃんの可愛さを言葉で伝えるなんて野暮なことはしないぜ。
「何であんたどや顔してるの……。調子悪いなら保健室行って来たら?」
「悪くないよ!?」
何故か心配されてしまった。
眠たい……。
授業を受けていると眠気が襲ってくる。
次の休み時間は眠気を覚ますために散歩でも行こう。
今受けていた授業が終わると私は教室を出る。
さあ始まりました!
泉の学校見学ツアー!
イエーイ!
そんなことを考えつつ眠気を覚ますために学校の色々の場所を巡る。
しばらくすると眠気もどこかに飛んでいき次の授業開始時間が迫っていた。
あと屋上まで行ければコンプリートなのに!
今からだと間に合うか間に合わないかギリギリのラインだ。
しかし、ここで諦めないのが泉という女。
廊下を走ってはいけないので早歩きで行く。
ここでハプニングが起きた。
階段を上っていたら踊り場で誰かにぶつかって尻もちをついてしまった。
誰だ!
こんなに急いでるというのに!
「わあ!?ごめん!大丈夫?」
声を聴いて私は一瞬固まる。
その声はいつも聞いていたが学校では聞いたことは無い。
いつもゲームの中で聞いていたフータの声だ。
私の好きな人の声だ。
だから私がこの声を聞き違える訳がない。
私は顔を上げ声の主を確認する。
森山君だ。
一緒のクラスだけど話したこともないし誰かと話しているところも見たことがない。
いつも寝ている印象だ。
「大丈夫、大丈夫。私の方こそごめんね。」
私は何気ない返事をする。
森山君が手を差し出してくれたのでその手を握って起こしてもらう。
「ありがとう。」
今の森山君の行動でフータに助けられた時のことを思い出してしまい顔が赤くなって声が小さくなってまった。
私は顔が赤くなっているのがバレないようにその場をすぐに立ち去り屋上へ向かう。
屋上に着くとさっきのことを思い出す。
声の主は森山君。
名前は何だっけ?
確か……。
そうだ、風太だ!
そしてプレイヤーネームも『フータ』。
「そのままだーーーー!」
私は誰もいない屋上で叫ぶ。
どうして今まで気づかなかったの!?
そうか、今日初めて声を聴いたんだ。
でもまだ私の憶測の段階だ。
今日学校が終わったら本人に確かめてみよう。
私はそう決意いたところで授業開始のチャイムが鳴った。
「あ……。」
急いで教室に戻ると先生に軽く注意されたくらいで済んでよかった。
風太君の事が気になりすぎるので、気を紛らわすために普段話したことのない前の席の恵美ちゃんに話しかけたり勉強を頑張ってみたりしたけどやっぱり風太君の事が気になる。
恵美ちゃんとは初めて話したけど結構仲良くなれた気がする。
今度一緒にお弁当食べてみよう。
私は早く授業が全て終わるのを待つ。
今日は長い1日になりそうだ。
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