103話 その声を俺が聞き違えるはずがない!
102話を少し変えました。ごめんなさい!
昨日は散々な目にあった。
レイクが変な女を連れ来たと思ったら次は変なドワーフのおっさんが来て、ドワーフのおっさんが来たと思ったら、変な3人目の王の称号持ちに絡まれて、変な化け物に追いかけられて、昨日は変なことばっかりだった。
夜寝ても化け物に追いかけられる夢を見てすぐ目が覚めた。
なので今日は寝不足だ。
それに気になることもあってそのことについて考えていたのも寝不足の原因の一つだ。
気になることというのは新しく『フォレスト』に入ったパレットという変な女のことだ。
師匠は何も気になることないといった様子だったけどパレット……どこかで聞いた名前なんだよな……。
先生は何か知っている様子だったけどあの人はこの世の全てのことを知っていると言い出しても納得してしまいそうな程ありとあらゆることを知っている。そんな雰囲気を出している。
多分、パレットの正体も先生は知っていると思うけど今はゲームの中ではない。
ゲームの中ではなく現実世界の学校の教室の中だ。
先生もいなければ師匠もいない。
一人で考えてみよう。
パレット、パレット……。
絶対にどこかで聞いたはずだ。
それも最近だったと思う。
最近あった事といえば……『宝探しゲーム』か。
『宝探しゲーム』の時に名前を知る機会なんてあったかな?
パレットとは間違いなく昨日初めて会った。
なので直接関わったわけではない。
だとすると……。
「あっ!」
ひらめきと同時に席から立ちあがりながら大きな声を出してしまい教室中に俺の声が響き渡る。
クラス全員が俺に注目している。
「ご、ごめん……。」
誰に謝っているのか分からないが取り合えず小声でごめんと言い席に座る。
そうだ、思い出した。
『宝探しゲーム』の3日目の順位発表の時だ。
2回目ではなく1回目の順位発表の5位の名前。
それがパレットという名前だったはずだ。
その5位のパレットが昨日『フォレスト』に入ったパレットなのか分からないけど謎が解けてすっきりした。
頭の中の靄が晴れて周りが見えるようになりクラスの一部がまだ俺の方を見ていることに気が付いた。
気まずいし休み時間もまだ時間があるので教室から出ていく。
出てきたはいいけどどこへ行こう?
とりあえずその辺をふらふらして時間になったら教室に戻ろう。
そう思って俺が廊下と階段の曲がり角に立った時だった。
「わぁ!?ごめん!大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫。私の方こそごめんね。」
階段の方から聞こえた声に俺は驚いて固まる。
師匠!?
その声はまさしく師匠の声だった。
俺が師匠の声を間違えることは絶対にあり得ない。
天地がひっくり返ってもあり得ない。
俺がやらなければならないことはただ一つ、声の主を突き止めることだ。
ここからは階段が見えないので見える位置まで移動する。
下の階には人はいない。
上の階を見る。
上には男女がいる。
ぶつかったのか女が尻もちをついていて男が起こそうと手を差し出しているところだった。
二人とも同じクラスの人だ。
一人は泉さんそしてもう一人は……確か……そうだ森山君だ。
だとしたらさっきの声は森山君?
もう一度声を聞く事が出来れば確信が持てる。
そう思ったが森山君が声を発することは無かった。
というかこのクラスになって2ヶ月程経とうとしてるけど森山くんの声今日初めて聞いた気がする……。
それから俺は森山君をずっと見ていたが彼は寝てばかりで声を発するどころか起きる気配すらない。
でも、そんな寝ている姿も師匠に見えてくる。
「やっぱり森山君が師匠なのかもしれない。」
こうなったら本人に直接確かめてみよう。
今日学校が終わったら聞いてみる。
そう俺は決意した。
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