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「恵。あのね、告白もそうなんだけど、できたら私、まずは彼の名前が知りたいの」と小春は言った。

「そんなの本人に直接聞けばいいじゃん」恵は言う。

 もちろん、恵ならそうするのだろう。

 でも、小春にはそれが、きっと永遠に、一生涯できそうにもないことだった。

「聞けないの?」恵は言う。

「うん」小春は答える。

「じゃあ、私が聞いてきてあげよっか?」恵は言う。

 恵はおそらく、本気で彼に名前を聞きに行くつもりなのだ。恵ならやりかねないし、恵になら、それはやろうと思えばいつでもできることだった。

「それは、……恥ずかしいからやめて欲しい」小春は言う。

「でも、じゃあどうするの?」

 恵はつまらなそうに口を尖らせる。

「一度、図書館についてきて欲しいの。それでまずは彼のことを見て欲しい。それで、感想を聞かせて欲しいんだ」小春は言う。

「感想って、その人の?」

「うん。私とその人が、きちんと釣り合っているかどうか、……親友の恵に確かめて欲しい」

 小春の親友という言葉に恵は反応する。

「親友。そうだね。小春の彼氏になる人なら、私にとっても全然関係ない人ってことはないもんね。わかった。いいよ。それで、図書館に行く日はいつにする? 次の日曜日でいいの?」

「お願いできる?」小春は言う。

「もちろん。だって私たち、親友じゃん」にっこりと笑って、恵が言う。

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