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 陸が死んでしまったクリスマスイブの日の夜は、雪になった。

 早月はその日、約束をすっぽかした理由を直接陸に聞くために、家に帰る足を止めて、陸の実家を訪ねに行った。

 陸の家は、早月の家のすぐ近くにあった。

 でも、早月が陸の家に言っても、陸の家には誰もいなかった。如月家の明かりは消えて、まるで誰も住んでいない空き家のように真っ暗だった。

 早月は陸の家の前で、陸の帰りを待っていた。

 その途中で、空から雪が降っていた。

 ……雪だ。

 真っ暗な空から舞い落ちてくる白い雪を見て、早月はそんなこと当たり前のこと思った。

 すると、「早月」と、どこからか、早月の名前を呼ぶ陸の声が聞こえた気がした。

 早月はびっくりして「陸?」と声を出して周囲の風景を見渡した。

 すると、如月家の閉まったままの門の後ろにある、暗闇のところに、如月陸が立っているのが見えた。

 陸はそこからじっと早月のことを見つめていた。

「……陸。そんなところにいたんだ」

 早月は言った。

 本当は「どうして約束をすっぽかしたりしたの! 寒い冬の空の下で、四時間も待ったんだよ!」と陸に怒るつもりだったのだけど、なんだか陸の顔を見ると早月は安心してしまって、怒る気持ちはいつの間にか、早月の心のどこを探しても、見つかることがなくなっていた。

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