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「じゃあ、まずはどこに行く?」
奏が言った。
「まずは食事。レストラン。予約してあるの」椛が言う。
四人はそれから食事をするために新宿の街の中を歩いて、椛が予約をしたフレンチレストランに食事に行った。
そのレストランはとても素敵なレストランだった。
早月が「ここ、どうやって予約したの?」と椛に聞くと、「真由子にお願いしてもらったの」とにっこりと笑って椛は言った。
四人はとても楽しく会話をしながら、食事の時間を楽しんだ。
早月は蟹とうにのパスタを食べた。
椛は鴨を、歩は鱸を、奏はトリュフのかかったリゾットを食べた。
デザートはミルクアイスクリームだった。
値段もまあ、それなりにはしたけれど、すごく高いということもなかった。食事の代金は、奏と歩が二人で出してくれた。
食事のあと、四人は夜の新宿の街を歩いて散歩をした。
イルミネーションを見たり、途中で少し買い物をしたりした。
椛と歩はすごく仲が良さそうに見えた。
少なくとも早月の目には、椛が言っていたような、少し気まずい関係の二人には、まるで見ることはできなかった。
「せっかくのクリスマスイブなんだからさ、雪でも降ってくれたらいいよね?」椛が言った。
「うん。そうだね」とにっこりと笑って早月は言った。
でも本当は雪なんて降ってほしいとは、早月は全然思っていなかった。




