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クリスマスイブの日の集合場所は新宿駅の前だった。
「早月ー! こっち、こっち」
遠くで大きく椛が手を振っている。
その隣には柏木歩がいて、歩の隣には高田奏がいた。
「ごめん、遅くなった」
早月は小走りで三人に合流する。
「もう早月。寝坊でもしたの?」椛が言う。
椛はいつものように今日もポニーテールの髪型をしていたが、その格好はいつもとは違って、とても気合が入っていた。高そうな白色をした上品なコートの下からは、黒色のタイツが見える。足元は栗色のブーツ。
椛にしては化粧もしっかりとしているし、赤い口紅も塗っている。
……ああ、椛は今日、本気で歩くんと仲直りをするつもりなんだ、とそんな椛を見て早月は思った。
「久しぶり、深田さん」
椛の隣にいる歩が笑顔で言った。
「久しぶり。柏木くん」早月は言った。
歩はとても背が高くて、身長が180センチ以上あった。
奏も背は高いのだけど、歩の背はそんな奏よりも高かった。
歩はブルージーンズに、スニーカー。それにゆったりとした緑色のコートというカジュアルな格好だった。
歩の隣にいる奏は厚手の青色のコートを着ていた。その下には落ち着いた色の、スーツのような服を着ているようだった。
見たところ、四人の中で一番、今日の服装に力が入っていないのは、どうやら早月のようだった。
早月の格好はいつも着ている冬用の紺色のダッフルコートに、愛用のセーターにスカート。その下に黒のタイツと黒のブーツ、という格好だった。
「……遅いよ。心配した」奏が言う。
「ごめん」早月が言う。
それから二人は手と手を合わせて、しっかりとお互いの手を握った。




