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「さてと、結衣も行っちゃったし、私も帰るね」

 早月はそう言って席を立った。

「彼氏が待ってるんだ。じゃあね」

 早月は生徒会室に残っている三人に手を振りながら、にこやかな笑顔で生徒会室をあとにした。

 その際、「明里さ。あんたせっかく可愛いんだから、ちゃんと恋でもしなよ。そうすればもっと学院生活が楽しくなるよ。きっとね」と、そんなことを早月は言い残していった。

 これで、五人いる生徒会メンバーから二人が抜けて、残っているのは三人になった。

「……椛はいいの? 彼氏さんは学院の外で待ってたりしないの?」

 少しして、頭を抱えた明里がそう言った。

「え? あ、いや私は別に大丈夫だよ。今日はとくにデートとか、そう言う用事はないし」椛は言う。

 生徒会メンバーの中で彼氏がいるのは早月と椛の二人だけだった。

「そう。じゃあ、改めて生徒会を始めましょう」

 明里がそう言って、場を仕切り直して、三人だけの生徒会が始まった。


 本日の生徒会はそれから一時間で終了した。

 明里は椛と真由子と学院の正門のところでさよならをして、それから明里は帰る方向の違う二人と別れて一人で家路についた。

 そのころには外はもう暗くなり始めていた。

「はぁー」

 そんな空を眺めてから、明里は一人、ため息をついた。

 ……なんでうまくいかないんだろう? 私の力量不足なのかな?

 明里は落ち込んでいた。

 ずっとうまくいっていない生徒会だったけど、努力して頑張れば次第に成果は上がり、生徒会の運営も軌道に乗ると勝手に思っていた。

 でも、現実は明里の想像のようには甘くはなかった。

 いくら時間が経っても、いくら明里が熱意を持って行動しても、現状は全然改善されなかった。

「……はぁー」

 歩きながら、また明里はため息をついた。

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