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「その男の子ってどんな感じの男の子なの?」と恵は興味津々といった様子で小春に聞いた。

「うーん。すごくおとなしそうで、体つきは小柄で、真面目で、頭が良さそうな人」小春は言う。

「顔はかっこいいの?」

「うん。まあ」少し照れながら、小春は答える。

「そうなんだ。まあ、なんだかんだって、小春はイケメンが好きだもんね」恵は言う。

 小春は否定はしない。

 確かに小春は、顔のかっこいい男の人にめっぽう弱かった。

「それでどうするの?」

「どうするって?」小春は言う。

「だから、その人に告白するんでしょ?」恵は言う。

「……うん。できれば」小春は言う。

「その手伝いを親友の私にして欲しいってことだよね。うんうん。わかるよ。私ってば、そういうこと、よく相談されるからね」恵は言う。

 恵の言っていることは嘘ではなかった。

 引っ込み思案の性格をしている友達が少ない小春と違って、明るくて行動的な恵は友達がたくさんいて、よく恋の相談をされていた。

 でも、その相談のされかたというものは、小春の見た感じ、本気の相談というよりも、とりあえず話を聞いて欲しい、恵になら話しやすい、と言ったような、本気の相談ではない、少し軽い恋話のような、そんな相談ばかりだった。

 でも、恵はそんなことは全然気にしないで、いつも真剣に相手の話を聞いていた。そんなところがすごく恵らしくて素敵だと、小春はいつも隣の席から、そんな恵の姿を見て思っていた。

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