表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/19

答え合わせの時間です!

昨日と同じく退屈な授業と戦い、休み時間はアニメの話で盛り上がる。

そして――運命の時がやって来た。

ノリちゃんと葵君には事情を話してある。何かあればすぐに連絡をしてくれたら駆け付けてくれるとのこと。こ、心強い! どんなに離れてても心はそばにいるね! 負けないで! 負けないで、私!


夕方の校舎は、オレンジ色の夕日が差しこんでいる。これで教室入った時にイケメンがいれば昨日の心理テストそのものなんだけどなー。ありえないよねー。

キ〇ィちゃんの封筒にア〇雪の便箋を使って手紙を書いた男の子(多分)は果たしてどんな人物なのか……。


「し、失礼しまー……」

「うむ、待っていたぞ!」


教室に入ると、そこにはイケメンがいました。夕日をバックに漆黒の髪をサラサラとなびかせ、眩しいほどの笑顔をこちらに向けてくる人物――夜野レンの姿がそこにあった。

どうでもいいけどレンっとレオンって名前似てるね! イケメンって共通点もあるよね!


「あ、あのー……」

「手紙、読んでくれただろうか?」

「え? あ、はい」

「うむ! ありがとう!」


何だろう……口調がすごく武士っぽいっていうの? 何、日本史の授業だと戦国時代だけやたら得意なの?ちなみに私は戦国時代得意です! あと新選組に関することも大丈夫! 司馬遼太郎の小説で学んだよ! とっても偏りある知識になってるけど!

けど……あのファンシーな封筒と便箋の持ち主が夜野君とは意外。オトメンなのかな。


「封筒と便箋は、妹のものを拝借した。可愛かっただろう?」

「はぁ、まぁ」

「うむうむ!」


満足そうな顔をして首がもげるんじゃないかというほどに夜野君は頷いた。どうやら『うむ』という返事は彼の口癖らしい。うむって言ってるのテニ〇リの真田か、もしくは勇者ヨ〇ヒコのメレブさんくらいしか知らないよ。あ、同時に封筒と便箋の謎も解けてよかった。妹いるんですね! どんな妹? もしかして九人くらいいる? そんで最終的には十二人くらいまで増えるのかな?


「その、大事なことというのは?」

「ああ、忘れていた」


いやいや忘れちゃだめでしょ!?

心でツッコミを入れていると、夜野君は笑顔を引っ込めて急に真剣な顔になった。さっきまでの明るい笑顔もいいけど、こういう真剣な顔もいいね。ていうかイケメンはどんな表情でいても美男ですね。美男と書いてイケメン。


「朝倉さん!」

「はい!」


ずいっと、夜野君が距離を詰めてきた。あと十センチも近づくと鼻先がぶつかってしまいそうだ。近い、近いよ……でも、あまりにも真剣な夜野君を見るとなぜか逃げることも出来ない。大きく澄んだ瞳に吸い込まれそうだ。その瞳に写っている自分のアホっぽい顔は殴りたい。

時刻は午後四時。より強く夕日が教室に差し込み、程よく筋肉が付いた夜野君の体にスポットライトが当たっているようになる。風が吹き、カーテンが揺れる。


「俺と、結婚を前提に付き合ってくれないだろうか」

「……ふぁっ!?」


――どうやらそのイケメンは貴方に用があるようですが、その用とは何でしょうか?

次の3つのうち、最も適切なものを選びなさい。

ただし、教室は貴方のクラスで、他には誰もいないものとする。


A.好きなので付き合ってほしい

B.明日の日直を変わってほしい

C.金出せオラァ!!


『こんなのA.に決まってるじゃない!』――


どうやら昨日の心理テスト、正解だったようです。

いや心理テストに正解とかないけどね!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ