表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弱肉強食  作者: 弱肉強食
1/1

惨状

「早く!こっちへ!」

「ここはもう限界だ。早くあっちへ逃げ。うっ…」

最後の戦士の体が槍が貫かれ、血しぶきを上げる。そのまま、槍が横にずれ体が引き裂かれた。あたりには似たような姿の肉片が散らばっている。

「男は全て殺せ。女子供は攫え!良い肉がとれる!」


         同時刻。同村にて。

「ここに隠れて!絶対出ちゃダメよ。あなたには人類を救う力がある。」

「おかあさ!」

バタン!

 その女性は地下の食料庫に自身の子供を押し込み、そこを去った。

「まだ、一人いやがったか!」

「いやぁぁぁ!」

最後の女性が連れて行かれた。こうしてこの村にはその少女を残し誰一人いなくなった。 


 現在、西暦4252年。遺伝子組み換え食品が本格導入されてから2000年。

 徐々に進んできた、地球温暖化によりたくさんの動植物が死に絶えた。人類は地球の食物連鎖を崩さないために、遺伝子組み換え動植物(GMAP)を培養、栽培し、地球上に解き放った。しかし、根本的な解決にはならず、遂に11年前、天然の動植物は人類を残し全て絶滅した。

 また、人間も着々と数を減らし現在、全世界の人口は5億人を切ったとされている。

 ただ、人類に関してはたった10年前までは地上にまだ96億人存在した。この数の減り方は異常だ。

 別に食糧不足で争ったわけでも、核戦争が勃発したわけでもなち。理由は簡単。人間は遂に食物連鎖の頂点の座を引きずり下ろされたのだ。

 遺伝子組み換え動植物は、人体には何の影響も及ぼさなかった。しかし、それはあくまで人体の話。他の遺伝子組み替え動物達(GMA)には多大な影響を与えた。多くの組み替え動物は遺伝子組み換え動植物(GMAP)を口し続けると成長速度と突然変異を授かるかわりに数年で死ぬ。だが、これが最悪の結果を招いた。

 生物は親から子へ遺伝子が伝達される際のエラーを次世代に受け継ぐことで進化する。つまり、世代が長く続けば続くほど進化する可能性が高くなる。

 その結果、遺伝子組み替え動物(GMA)は進化した肉体と知能を手に入れた。

      そして、遂に知ってしまったのだ。

 自分達は遺伝子組み換え動植物(GMAP)を接種しなければ長く生きられる。そう、人を食べ続ければ安全であると言うことを。

 そして10年前、新人類となったGMA同士の食料争奪戦が始まった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ