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最強のG級冒険者

ーくっそ弱っ!


思わず声に出してしまいそうになるセティ。数値だけでいえばかなり弱く感じる。


ーなんだよ、これ!?運以外低いだろうが!創造主の俺が何故だ!何故だ!何故だ!バクだ!陰謀だ!


現実を直視出来ないセティ。すぐに文句を言う辺り、やはり性格が悪い。


『ちなみに、一般的な冒険者だと、どの位の数値なんですか?あと、()内で表示されているのは、武器や防具の数値ということで宜しいでしょうか?』


自分の数値が未だ信じられないセティ。きっと自分が低いのではなく、世界の数値の基準は平均10程度だと思い込ませる。


『あ、はい!まずは()内の数値は装備品による上昇率です。次に冒険者のランクや、ジョブによりステータスは様々ですからあくまでも参考程度ですが、モデル例はあります。そのモデル例以下であれば、鍛錬が足りないため依頼を受けたり、迷宮の階層を攻略する一助になります。此方が、そのリストです。』


そう言いながら、ギルド職員は紙をセティに見せる。



ーーーー


体力:1000

魔力:800

攻撃:700

防御:650

素早:200

知力 :150


ーーーーー


『……(俺は)弱すぎる…』


あまりの衝撃に思わず口に出してしまったセティ。その表情と声は暗く、絶望感を漂わせている。


『ッ!』


一瞬ギルド全体が静まりかえる。グロックを倒した人が、冒険者にもなっていない少年だった。自ずとセティの冒険者登録は多くの冒険者やギルド職員が聞き耳を立てる程に注目していた。そのセティが発した一言はあまりに彼等、彼女等の心に突き刺さった。『一体お前達は、何をしているんだ』暗にそう言われている気がしてならない。そして、セティのあまりに悲愴感漂う言葉は、冒険者の未来を憂う、そんな印象さえ抱かせた。隣で、見守っていたティアリスも驚きを隠せないと同時に、


ーセティ…一体貴方に何があったの?


ありもしないセティの過去を考え出していた。


『…ありがとうございました。それでは、依頼通り岩の迷宮の攻略にあたります。』


小声でお礼を言いながら、セティはギルドを後にする。


ーみんな注目している…俺が平均以下なのがバレたのか…とことんついてないな。運の良さはおそらく、モンスターのアイテムドロップ率や罠解除成功率、回避率とかの補正だろう…透刃のドロップが良い例だ…。

表に項目がなかったのも、運なんて本当に天任せ。冒険者のクラスが、高かろうが低かろうが運は左右されない。だから平均をとる意味がないってことなんだろう。…テンション下がるわ…。


悲愴感漂わせながら、トボトボとギルドを後にするセティ。


『待って、セティ!』


慌ててティアリスも後を追う。


二人が出て尚、場は凍ったままだ。


『サーラ、貴女が見せた平均値表って…』


サーラと呼ばれるギルド職員に、年配の職員が尋ねる。平均値表が、低ランクであればセティが発した言葉にも説明がつくからだ。


『えっ?あ、はい…C級冒険者のグロックを圧倒していましたので、B級以上の実力があるだろうと思い、B級の平均値表を…』


『『なっ!!??』』


サーラが答えた瞬間に、ギルド内が騒然とする。


『あんな少年が、Bクラスだと…!』


『いや違う!Bの平均値表を見て低過ぎるってことは、BB級か下手したら、A級の可能性もあるぞ!』


『そんな…あんな子どもが、超一流の証であるA級の実力を…!』


そして一人の冒険者が言った。


『最強のG級冒険者だ…』


壮大なまでの勘違い。こうしてセティの知らぬ所で、新たな伝説が誕生した。




ーーーー

セティ・フォン・シュバルツダンケルハイト


ランク:G


Level:1↑


体力:35

魔力:0

攻撃:24(800)

防御:15 (3)

素早:220(15)

知力 :20

運 :1115


スキル

創造魔法


装備

透刃

シャツ

ズボン

スニーカー


獲得称号

最強のG級冒険者⬅︎New!


ーーーー



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