prologue
書きたかった話が書けましたのであげます。
世界観は少し分かりにくいと思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、めんどくさいところは読み飛ばしても読めます笑
できるだけ人間のドロドロした部分やキレイでない部分を描写したいと思っています。
それでも最後には美しいと思えるものを目指しております。
ではどうぞお楽しみ下さい( ´ ▽ ` )ノ
p.s.感想・評価ともどもお気軽に頂けましたら今後の参考になりますので幸いです!
『反発しあって引かれあって、繰り返す度に、その想いは強くなる。』
それはまるで磁石のように。
周りを惹きつけてやまない磁力のように。
その2人は、まぎれもない師と弟子であったが、まぎれもなく師弟以上の愛情をもっていた。家族愛に類するものか、兄弟愛に類するものか、はたまたーーいや、それは誰にも分からないことである。
蒼慶25年12月25日。
さぁっと降り出した雨のせいで、昼間だというのに外は薄暗い。
彼女は研究室に繋がる自分の寮部屋に閉じこもっていた。かつてあれ程温かく感じたこの部屋が、今日この日ばかりは冷たい。
ひたすら去来する記憶の数々が鮮やかに蘇り、彼女の心を嬲っていく。
ふと目を閉じれば、いつもそこには優しい微笑。
あなたは、厳しい人だった。だが、優しい人だった。愛してるの言葉こそ、互いに死んでも言うことはなかったけれどーー。
あなたを殺したこの世界は、今、あなたの望んだ世界になっていますか。
雨足が強まってきたのか、ザアッと激しい音が窓を打っていた。