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特別な飴

どうも、あんまりおもしろくないと思いますけど楽しんでもらえたら幸いです

何時ものように雲の隙間から見える夕方の日の光を全身に浴びながら柵に腕を置いてグランドを眺める、何にも変わらない。何時もと同じように何となく過ごしていく一日、そして今日も放課後になって屋上に上り何時ものように夕方を見ながら呆ける。

 「………あー、なんか面倒くさいな」

 黒い学生服に光が当たりながら黄昏ていると屋上の扉が開いた、そこには何時ものように馬鹿をして何時ものように一緒にいた友人が当然のように現れる、ソイツは中学生デビューを頑張りましたと言いたげな金髪で、髪をワックスを使って逆立てている、明らかに整髪料を使うことになれていないと解る髪型にセットしてあるが、それをしてきしても笑ってセンスがないと言うのだから始末に置けない、そう思いながらソイツに顔を向けてると気味が悪そうにこちらを見てくる。

 「何じっと見て来てるんだよ気持ち悪いな、男に見られて喜ぶ趣味はねぇぞ」

 「アホ、俺だってないわんな趣味」

 そうかって言いながらこちらに笑いかけてくる友人をしり目に自分の好きな飴をポケットから取り出して舐める、隣にいる友人が飴なんてお子様だな、と笑いながら手を差し出して来る。煩いと言いながら飴を差し出してる俺も言えたことじゃないが素直じゃない奴である、友人は飴の包んである袋を破り口に含むと用事あるから、と言いながら屋上を後にする、そんなことを言うために態々よったのかと思うと少しおかしくなったので口元に笑みを浮かべた。

 「あー、何か非日常的な事起こんないかな」

 そう言うと強い風が自分を襲った、もう10月の中旬なので流石に寒いと思い、自分も帰るために屋上を後にした。






 家で晩飯を食べていると家に電話がかかってきた、母親が席を立ち受話器を取って話して居るとだんだん様子がおかしくなっていき、慌ただしく受話器を置くと俺にむかって声を上ずらせながら友人が事故にあったことを伝えられた、信号無視をしたバイクと接触事故を起こしたと、病院に搬送されたがその途中の救急車の中で息を引き取ったとも説明を受けたが俺は悲しいなどの感情が自分にわかないことに不思議に思いつつも病院に駆けつけるために服を着替える、父親はまだ仕事で帰ってきてないので母親が父親に友人が事故で亡くなったから病院に行くとだけ伝えるとそのまま車に乗って近くの県病院に付く。来る途中まで母親が何かを話しかけてきたがうわの空で聞いていた、病院に着くと受付のナースに友人の事を伝えると霊安室に連れて行かれた、霊安室から友人の母親と父親が出てきてこちらに顔を合わせると泣きながらよく来てくれたと言われた、その時も母親と何か話していたが耳には入ってこずに友人のもとへと目指す、友人だった物を見ても何も感じず、顔にかけてある白い布を見て死んだら本当にこうするんだ、とドラマなどで見た光景に少し場違いな関心がついた、布をめくると綺麗な顔で目をつむった顔がそこにはあった、中学になってから知り合った奴ではあったが、地元の小学校を卒業すると同時にこちらの方に引っ越してきた俺に仲良く話しかけて来てくれた馬鹿な奴だった、俺にはコイツ以外の友人と言える者がいないので明日から誰と話そう、そう思いながら布を顔の位置に戻し、友人だった物に手を合わせた。





 3日たち、土曜日に部活に休みをいれ友人の葬儀に通う、土曜日に学生服を着ることに躊躇するがそんな事を考えてもしかたがないので用意し母親に父親と一緒に友人の家を目指し歩き出す、途中で大して話したことのないクラスメイトに出会うが特に思う事は無くああ、アイツも来たんだ、と思う程度だ。

 クラスメイトの殆どが来てアイツには結構友人がいたんだな、と思い直す、葬儀は順調に進み最後のアイツが入っている棺に花を入れるようになった、アイツと何時も笑って話して時に飴を食べていたので花と一緒に飴をいれておく。アイツともう笑って飴を食べられないという事に今更ながら気づいて涙が溢れる。

 (こんな非日常求めてないんだよこっちは………)

 人前で涙を見せたくないと思い必死に耐えて葬儀をこなす、結局そのまま何事もなくアイツは焼かれてこの世から完全に消えた。




 季節は2月、全ての一年生が慣れて友達などもでき、新しく来る新入生を集めるために部活動にいそしんでいる者たちは試行錯誤をしていることだろう。

 「………相変わらず面倒くさいな」

 俺は相変わらず雲に隠れた夕日から照らし出されるグランドを見ながら屋上にいる、もうアイツの事なんてあまり覚えてるやつらは一握りが良いところか、そう思いながら飴をポケットから取り出し包んである袋を破り口に含む、その飴をなめているとアイツの顔が浮かび上がって甘い飴な筈が少し酸味を感じるようになる、何故なら彼にとって友人と飴であるヴェルタースオリジナルは特別な存在だからです。

ラストにある文がネタなんですが………、解る人はあんまりいないかもしれません、結構マイナーなので

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[気になる点]  誤字報告など。  頭髪量→頭髪料(?)……整髪料  病院に付く→病院に着く  対して話したことのない→大して話したことのない(「それほど話をしたことがない」、ではなく、「向かい…
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