カイの行方と森の迷宮
森は静かに揺れ、霧が足元を覆う。
リナたちは影の先を慎重に進みながら、消えたカイの足取りを追う。
「カイ、どこにいるの……?」
リナの声が小さく、けれど森の中に確かに響く。
呼ぶたびに、胸の奥の不安が波のように押し寄せる。
迷宮のように入り組んだ森。
木々の影が長く伸び、光を遮る。
レオが剣を構えながら前を探る。
「油断するな……どんな罠があってもおかしくない」
ミナは手を握りしめ、仲間たちの後ろを歩く。
「でも、私たちなら……」
小さな声が、森の霧に溶ける。
リナはその声に頷き、胸に決意を刻む。
森の奥で、微かな光が揺れた。
「カイ……?」
リナが駆け寄ると、そこには見覚えのあるシルエット。
でも、カイの表情はどこか遠く、霧に包まれたように暗い。
「リナ……俺、覚えてないんだ……」
カイの声がかすかに震える。
森の奥で、何者かの力に記憶を奪われてしまったのか――
その言葉に、リナの胸が締めつけられる。
「大丈夫、私がいる……私たちがいるから」
リナは手を差し伸べ、優しくカイの手を握る。
仲間たちもそっと寄り添い、温もりを伝える。
黒い影が再び森の奥で揺れた。
それはまるで、カイを引き裂くかのように迫ってくる。
「みんな、準備はいい?」
レオが剣を構え、ミナは包帯を握りしめる。
リナも心の中で誓った。
「絶対に、カイを守る」
影と光、霧と決意が交錯する森の中で、リナたちは進む。
迷宮のような森の奥には、まだ見ぬ試練と、新たな真実が待っている――。
友情と絆、希望と不安。
それらが混ざり合い、森の迷宮に強く輝く光となっていく。




