揺れる心と、影の接近
封印の扉を越えた森の奥。
木々の影が長く伸び、朝の光も霧に溶けてぼんやりとしか差し込まない。
リナは足を止め、周囲を見渡す。
心の奥で、小さな不安がざわつく。
「……本当に大丈夫かな」
声にならない呟きに、カイがそっと肩に手を置く。
「怖いのは当然だ。俺だって同じだよ」
その温もりに、リナは少し安心し、深く息を吸う。
しかし、霧の奥から、冷たい視線が二人を追っていた。
仮面の影――封印の扉を守る者か、それとも試練を与える者か。
その存在が、静かに、しかし確実に緊張感を森に刻む。
レオが小声で囁く。
「気を抜くな……奴はすぐそこにいる」
ミナが震える手で包帯を握りしめ、リナの方を見つめる。
「でも、リナがいるから……私たち、負けないよね」
リナは微笑むように頷き、仲間たちの手をそっと握った。
その瞬間、胸の奥に熱いものが込み上げる――
不安と恐怖を越えて、守りたい人の顔が浮かぶ。
影が森の奥でわずかに揺れる。
それはまるで、彼らの心の揺れを映すかのように、静かに近づいてくる。
「みんな、準備はいい?」
リナの声に、仲間たちは一斉に頷く。
怖さも、迷いも、胸の奥に閉じ込めて――
彼らは一歩、また一歩と霧の奥へ進む。
森の影が濃くなるほど、心の絆が強くなる。
そして、近づく影が示すものは――
過去の真実か、未来への試練か。




