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夜明けの光
戦いの後、診療所には静かな朝が訪れた。
窓から差し込む光が、戦いの跡を優しく照らす。
カイはまだ膝をついたまま、昨日の戦いを思い返していた。
仮面の男――影の本体――との死闘。
しかし、それを乗り越えたことで、仲間たちとの絆はさらに強まっていた。
「カイ……大丈夫?」
リラがそっと肩に手を置く。
「ええ、大丈夫……ありがとう、リラ」
カイは微笑む。
仲間の存在が、これほどまでに力になることを改めて実感する瞬間だった。
診療所の外、森の方にはまだ微かな霧が立ち込めていた。
だが、もう恐怖ではなく、希望の光に変わっている。
影を超えた者たちは、未来を切り拓く力を手に入れたのだ。
「よし……次に進もう」
カイが立ち上がると、仲間たちもそれぞれ立ち上がり、笑顔を交わす。
この戦いの終わりは、新たな物語の始まりでもあった――。




