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影の終焉
診療所の窓から差し込む月光が、戦いの跡を静かに照らす。
カイは深く息をつき、仮面の男――影の本体――の前に立ちはだかる。
「これで……終わらせる」
カイの声には、仲間たちと戦った日々の想いが込められていた。
影が渦を巻き、最後の攻撃を仕掛けてくる。
リラとシーナは結界と魔法で支え、カイは魔力の刃を最大出力で振るった。
衝突の瞬間、診療所全体が光に包まれる。
影が砕け、仮面の男の姿が消え、森に静寂が戻った。
カイは膝をつき、深呼吸をする。
リラがそっと肩に手を置き、微笑む。
「やった……ね、カイ」
「ああ……終わったんだ」
カイの瞳に、ようやく安堵と涙が混ざる。
仲間たちと共に夜空を見上げると、月が静かに輝いていた。
戦いの終わりは、新たな始まりでもあった――。




