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転生したら病弱少女だったけど、看護師スキルで異世界の医療を改革します!2  作者: 櫻木サヱ
影と光の決戦

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影の接近

診療所に差し込む朝の光も、どこか冷たく感じる。

昨日の夜、森の奥で感じた“仮面の男の影”は、まだ消えていなかった。


「……いや、消えてないな」

カイは天井を見上げ、拳を握る。

「奴は動いてる。次は逃げられない」


窓の外で風がざわめき、木々が小刻みに揺れる。

リラはカイのそばに寄り、そっと手を握った。

「大丈夫……私たち、一緒だよ」


その言葉に、カイはわずかに微笑む。

「ありがとう……でも、油断はできない」


午前の診療が終わった頃、森の方向から黒い霧が忍び寄る。

診療所の周囲を取り囲むように、影がゆっくりと姿を形作った。


「来る……!」

シーナが杖を構え、魔法陣を床に展開する。


影が一斉に襲いかかり、診療所の扉を叩き、窓ガラスを揺らす。

だがカイは躊躇せず前へ進む。

「行くぞ!皆、俺について来い!」


闇と光が交錯し、魔法と剣の戦いが始まる。

影の一体がシーナの結界を破ろうと突進するが、リラの放つ光の魔法で弾き返される。

カイは影の群れを相手に、魔力の刃で次々と切り裂いていく。


しかしその中心に――仮面の男の姿がぼんやり浮かび、じっと見下ろしていた。

「やっと……動き出したか」

低く響く声が森に響き、影たちがさらに凶暴に動き出す。


「奴……あれが本体か」

カイの胸が熱くなる。

「次は……絶対に負けられない」


診療所の中、仲間たちの息遣いと魔法の光が入り混じり、まるで嵐の中にいるかのようだ。

戦いの最中でも、カイの瞳は揺らがない――

守るべき仲間と命、そして自分の過去と向き合う覚悟が、そこにあった。

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