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転生したら病弱少女だったけど、看護師スキルで異世界の医療を改革します!2  作者: 櫻木サヱ
森の謎と新たな試練

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記憶の奥に眠るもの

森から戻った夜。

診療所にはいつもの静けさが戻っていたはずなのに──空気がどこか、張り詰めている。


リリアはランタンを灯し、治療台の横でカイの包帯を外していた。

「……熱は少し下がってる。傷の治りも、思ったより早いわ」

「君が……いてくれたから」


ふとしたやり取りの中にも、森での戦いの余韻が残る。

あの仮面の男。銀色の獣。

そして、何よりも——

カイの胸に刻まれた“紋章”が、かすかに脈を打っていた。


リリアは静かに問う。

「ねぇ……あの時、森で震えてたよね。何か……思い出したの?」


カイは目を伏せた。

それは痛みを伴う記憶。

言葉にするたびに、心の奥に隠していた何かが暴かれるような——。


「……俺は……前の世界で、仲間を……助けられなかったんだ」

声は震え、指先がベッドシーツを握りしめる。

「傷ついた人間を、見殺しにした。助ける術が、俺にはなかった……」


リリアの胸がきゅっと締めつけられる。

彼の痛みが、自分にも伝わるようだった。


「カイ……」


彼はゆっくりと顔を上げ、真っ直ぐにリリアを見る。

「でも今度は、違う。君となら……誰も死なせたくない」


ランタンの光がふたりの間を照らす。

その光は暖かく、そしてどこか涙がこぼれそうになるほど優しい。


リリアは彼の手に触れた。

「私も……看護師だったから。命を守ることの“重さ”は、知ってる」

「……だから、一緒に背負おう」


夜風が診療所の窓を揺らし、遠くの森からフクロウの声が聞こえる。

この瞬間、ふたりの心は静かに重なった。

——それは戦いよりも強く、確かな“絆”の始まり。


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