二期の始まり 新たな日常と異変の兆し
診療所の窓から、柔らかな朝日が差し込む。
街は平穏で、子どもたちの笑い声が小路に響き渡る。
リリアは薬草の整理をしながら、仲間たちの顔を順に見渡した。
「……みんな、今日も元気そうだね」
ガイルは伸びをしながら微笑み、リオは軽く肩を叩く。
「うん、でも今日はなんだか空気がちょっと違う気がする」
その言葉通り、診療所の外にはほんのり不穏な気配が漂っていた。
遠くの森から、普段は聞こえない微かなざわめきが風に乗って届く。
リリアは眉をひそめ、手に持った薬草をぎゅっと握る。
——何かが、始まろうとしている。
「異変……ですか?」
セリナが小さく呟き、リリアの横に寄る。
「そうみたい。街の人はまだ気づいてないけど……」
リリアの声に、仲間たちは自然と身を引き締める。
診療所のドアが軽く揺れ、街の少年が駆け込んできた。
「リリアさん!森の外で変な病気が出てるって話です!」
リリアは瞬時に状況を把握し、深呼吸する。
「わかった、準備しよう。仲間たち、手伝って」
診療所の中は慌ただしくなるが、仲間たちの表情には恐怖よりも覚悟が漂っていた。
——また、新しい挑戦が始まる。
でも、リリアの胸には安心感もあった。
仲間がいる。信じ合える仲間がいる限り、どんな困難も乗り越えられる。
外の空気はまだ静か。
けれど、森の奥で何かがじっと動き、街に迫ろうとしているのを、リリアは知っていた。
「……行こう。みんなで、守るんだ」
仲間たちが自然に頷き、診療所の扉を開けた瞬間、朝日が全員を照らす。
——二期、物語の幕が上がった。