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合コン④

「………」

「やーい、アオイー。今どんな気持ち?どんな気持ち?」

アサイーみたいに言うな、アサイーみたいに。

どんなネーミングセンスだよ。


何と協力者だと思っていた男は、ただの他人の修羅場を見るのが好きな悪趣味な奴だった!!

おもしろそう笑、ってそういうことかよ!

嫌な伏線回収ーっ!!


「アオイー!ドンマイ!」

「ふざけるなぁぁ!!!そんなんだから、お前彼女出来ないんだろ!!おかしいと思ったよ!好青年そうだったのにぃー!!」

「アオイー、貶してるんだが褒めてるんだかわかんねー。照れるー」

「照れるな!褒めてないわ!碧くん悪口タイムだわ!」

「ぷっ、慣れてなさそうでおもろい…」


く……っ!

駄々をこねる子供を見るかのような生温かい目をむけてきやがった。

圧倒的経験値不足っ!


佐渡は、にやにやにやのエンドレス。

性格悪い……!


「まあでも、分かんないよ?2人で合コン抜け出して何か話してたからって、分かんないよアオイー」

「やめろ!事実を歪曲するな!来海が帰ったのを、その男が追いかけたってだけだろ!?」

「でも2人で話してたのは事実だぜー、アオイー」

「うっ、もう俺のライフはゼロだ……」


合コンに行った幼馴染が、何やらとある男といい感じになっていたのかもしれないという事実。


がくりと項垂れる俺。

まあまあ、と佐渡に肩を叩かれる。


「そんな落ち込むなよー、アオイー」

「お前のせいだわ!主に、お前のせいだわ!」

「元気出せってー。男は修羅場くぐってなんぼだろうがよ〜」

「ううう…!くくりたくない、こんな修羅場……」

誰が両想いだと思ってた幼馴染に彼氏できる修羅場にでくわしたいよ。

嫌だ。


俺はテーブルの上の拳を握る。

肩を震わせて、きっ!と鋭く佐渡を睨みつける。

もう怒ったぞ俺は!

かんかんですわ。

そっちがその気なら……っ!


「おい、サードン!!!」

「嫌っ、めっちゃ嫌なネーミングセンス!!オレは下の名前で呼んでんだから、オレのことも大地(だいち)からもじって、ダイチリって呼ぶべきじゃねー?」

「お前のネーミングセンスどないなってんだ!正直、サードンを超えてきたぞ!?ダイチリ!!」

「あ、やっぱサードンでいいわー」

「……っく!人が、人がせっかく呼んでやった温情をお前はぁ!!…サードン!」

「いや、素直すぎて可愛いかよアオイー。女子だったらワンチャンあったなー」

「ないわ!!」


コイツぅ…!!

何で俺がこんな転がされてるの!?

俺がこんなに会話の主導権握られることないよ?

来海の母親の都さんと、もう一人の幼馴染の男くらいよ?!


真面目そうな見た目は、ただのブラフ!

だ、騙された……。


俺はドリンクを一気に飲み干して、カタン!!とテーブルに叩きつけた。

あ、もちろんプラスチックだ。ガラスではありません。

大した迫力が出なかった。


「……おい、サードン…!俺を揶揄った代償はデカいぞ……!すごいデカいぞ…!?お前は苦労することになっちゃうかもなぁ!?」


よくよく念を押す。


「オッケーオッケー、オレに何して欲しいわけー?」

「その来海といい感じだったとやらの、例の男と俺を会わせろ!場を設定してくれ!それか連絡先教えるだけでもいいぞ!」


「…………」


佐渡はふぅ、と息を吐いた。


「はあー、アオイー、やっぱ女子だったらワンチャンあったなー」

「いや、ないわ!!今の俺の言葉のどこにその要素あったの!?」

「お願いの規模が小さすぎて笑う」

「笑うな!面白がってるだけじゃねーか!」


何なんだコイツ……。

俺たち、初対面だよね?



その後なんやかんやあって、場を設定してもらえることになり、俺とサードンは駅でお別れした。


初対面の濃厚さじゃないよう。

もう一人の幼馴染の男…(ボソッ)

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