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合コン②

「…というわけでだ、どうか協力してもらえないか颯!頼む!」

桜井さんとの昼休みの会合を終えて、俺は颯に手を合わせて頼み込んでいた。


俺の大好きな来海は、先月の合コンで現在の彼氏と出会った可能性が非常に高い!

だから、俺はその合コンに参加していた男性陣と接触し、来海の彼氏か否かをこの目で判断する。

桜井さんが合コンの主催者と連絡先が繋がっていたため、俺の計画は上手く行くかと思いきやーーーー


そうは問屋がおろさない来海ちゃんである。

俺のスマホは見張られてるので、変な動きはできない。

俺はあくまで、来海の知らないところで、来海の彼氏に対面し、誠意ある土下座をしたいのである。


颯のスマホをお借りして合コンの主催者と連絡を取りたい、というのが俺の頼みだった。


俺から事情を聞いた颯は、昼休み序盤の桜井さんと同じ顔をした。

口をヒクヒク引き攣らせる。

「あのさ……」

「おん」

「やっぱり、宮野さんの彼氏って碧だよね?どう考えても碧だよね?スマホ管理するのは、幼馴染じゃないでしょ……」

何だ?そんなことか。

ああ、幼馴染検定初級の感想だわ甘い甘い。


俺はしたり顔で頷く。

「幼馴染だからだ。確かに来海ちゃんは、ちょっと重いかもしれないが、俺も重いからちょうどいい」

「あの、そういうことじゃあ、ないんだよなあ…これで他に彼氏が居たらおかしいんだよな……」

「颯。常識で俺の愛を語るな。もうそんな次元じゃない」

「……あ、はい。もういいや。どうせ最後は上手くいくだろうし」


颯はスマホを操作し、桜井さんとのトーク画面を開いた。そこには、合コンの主催者の男子の連絡先が送られてきてあった。

颯にはその連絡先を追加してもらう。


「で?何て送るの?」

「ひとまず、俺は彼と直接会ってみたい。それで、合コンの様子がどんな感じだったかを聞き出すのが目的だ。

だから軽く挨拶して、そうだな……好きな子がその合コンに参加してたらしいから、居てもたってもいらなくてそちらの話が聞きたい、と送ってくれ」

「まあまあ直球だね……まあ、いいや。自分で打ちたまえよ碧くんや」

「大感謝でございます。お借りいたします」


挨拶と、急に追加して驚かせたことを詫び。

俺は、核心に迫り、先ほど颯に伝えた内容をそこに打ち込んだ。


「送信してもよろしいですか颯くん。君のスマホなんで一応許可取っておきます」

「あー、律儀だね。別にいいよ。信頼してる」

「おお、やっぱ持つべきものは親友だわー。そんな颯くんには、今度桜井さんを直接紹介してやろう」

「……!え、あ、ちょっ?き、気付いて…?!」

「はい、送るなー」


桜井さんに、颯のスマホに送らせたのは割とこれが一番の理由だった。

イケメンのくせに、控えめだからなこいつ。

ちょっとアシストしてやった。

おかげで颯は桜井さんと連絡先が繋がってハッピー、俺もハッピー。


颯は俺に自分の気持ちを悟られていたことに仰天している様子。

俺の肩をがしっと掴む。

「ちょぉっと、碧くん…?いつから気付いて…!」

「お!?もう返信来たぞ!?早っ!!」

「僕の話を聞け!」


それどころじゃない。

俺はもしかしたらたった今来海の彼氏とメッセージのやり取りをしてるかもしれないんだぞ。

緊張が走ってる。


『いいよ笑面白そう。いつ会う?』


よっしゃぁぁっっ、釣れたぁぁぁぁ!!!!


「やっぱり正直であることは、窮地を救うのだ…!はあー、ビビった。よし…そっちが会える日で一番早い日でっと!よし、送信ー」

「碧………僕はそろそろ君が、恐ろしくなってきたよ。嘘だ……バレる要素がなかったのに……」

「やーい、バレバレー。お前、俺が桜井さんに会いに行くっつたら羨ましそうな顔してましたー」

「嘘だ……嘘だと言ってくれ……」

何か顔を覆い出した颯は、放っておく。


また即レスで、相手の方から返事が返ってくる。

さて……。


え、明日の放課後!??


まあ、空いてるけどさ……


いや、心の準備がぁぁ……っ!?


俺はごくりと喉を鳴らして、『了解』と送り返した。


直接対決パート1は、明日だ………!













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