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スクリプトという名のペンを手に取る日



もう少し、手で書いていたかった。

Apple Pencil を握るたび、そう思う。

でも、その筆跡すら整えてくれる“Smart Script”を初めて見たとき、私は迷わず頷いた。


思えば、昔は台本を書くのも、資料を集めるのも、ぜんぶ一人だった。

リサーチ、キャラ設定、構成、プロットの分岐まで。

気づけば私は、書くより「準備すること」に多くの時間を費やしていた。


ある日、コンサルの友人が言ったの。

「それ、スマートスクリプトに書かせれば?」


はじめは冗談だと思った。

でも気がつけば、私の作業環境には「タグ付きノート」や「プロット変換スクリプト」なるものが並び、登場人物たちが勝手に未来を歩き出していた。


あぁ、私はもう――脚本家じゃなく、“脚本衛生官”なのかもしれない。

メガスクリプトが街を動かし、気づけば日々の「段取り」さえ見えない誰かが代行してくれる。

それは便利で、少し怖くて、でもやっぱり魅力的だ。


もしも、未来の物語が、未来の都市そのものを書き換えるとしたら?

私たちはどこまで「書く責任」を持てるんだろう。


今はただ、目の前にある1行を書いてみる。

タグ付きの、誰かに読まれると想定された1行。

それが誰かの“自動化の種”になっても、私はたぶん構わない。


だって私が今、物語にできるものは、いつか誰かの“スクリプト”になるかもしれないんだから。

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