freeeのメルマガ、たまに的外れなんですけど?
会計ソフトは、フリーランスの私にとって、もはや手放せない存在だ。特に、銀行やクレジットカードと連携して、あれよあれよと仕訳が自動で作成される仕組みには、何度助けられたことだろう。青色申告も、以前に比べれば格段に楽になった。そんな私のささやかな日常に、ある日、奇妙な波風が立った。メルマガという名の、一通の通知によって。
freee会計を使っている。もちろん、有料だ。クレジットカードと連携させれば、勝手に複式簿記の仕訳ができて、確定申告まで導いてくれる、まさに現代の魔法のようなアプリ。おかげで、かつて手書きで帳簿とにらめっこしていた頃の悪夢は、遠い過去のものとなった。
そんな、もはや会計のプロ(?)になりつつある私のもとに、定期的に届くメルマガがある。もちろん、役に立つ情報も多い。「法人化するなら」といったテーマは、いずれ訪れるかもしれない未来に思いを馳せ、読み飛ばしつつも一応は目を通す。個人事業主が多いだろうから、そういう配慮は理解できるし、むしろありがたいとさえ思う。
だが、先日届いたメルマガには、正直、目を疑った。「簡単にわかる単式簿記、複式簿記」。……は? 一瞬、自分の目を疑ったね。いや、待ってくれと。単式簿記? 今さら?
私がこのfreeeというアプリを使っているのは、まさにその単式簿記の面倒くささから解放されたいからだ。もう、クレカと連携してボタン一つで複式簿記の帳簿ができちゃう世界にいるんだよ、私は。なのに、その「そもそも」を今さら語られても、正直なところ、読み飛ばすどころか、瞬時に削除ボタンを押す指が動いていた。
もちろん、freee側にも言い分はあるだろう。ポータルサイトとして、会計の基礎知識を提供することには意味があるのかもしれない。まだ会計ソフトを使っていない人へのリーチ、あるいは、会計に苦手意識を持つ初心者への配慮。そういった戦略的な意図も理解できないわけではない。百科事典的な役割を果たしたいのかもしれないね。
でもね、もう有料で使ってる身としては、そういう「初歩の初歩」みたいな情報が届くのは、正直なところ「うざい」と感じてしまう。まるで「君はまだ、そんなレベルなんだね」と暗に言われているような、なんとも言えないモヤモヤ感。便利なツールを使いこなしている自負があるだけに、このちぐはぐなコミュニケーションに、少しだけ心がざわつくのだ。
結局のところ、私は今日も淡々と、メルマガの類は読み飛ばし、必要最低限の情報だけを拾い上げている。そして、会計アプリは今日も滞りなく、私の事業の「お金」を管理してくれている。この小さな葛藤もまた、デジタルとアナログの狭間で生きる、現代人の宿命なのかもしれない。
会計アプリは、私の日常を豊かにしてくれた。それは間違いない。だからこそ、時に届く「余計なお世話」のような情報に、少しだけ不満を漏らしたくなったのかもしれません。これからも、この便利な相棒と、時に手を取り、時に愚痴をこぼしながら、日々の業務に励んでいこうと思います。
ふわっとした前作に続いていきなり現代的でした。前にも書きましたが、ぜんぜん続いてません。全話読み切りです。