表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/127

8話 探索者登録に来たんですけど!? ③


お読みいただきありがとうございます!

本日3話目の投稿です。

是非ブクマ登録をお願いします!




「うおっ!マジすげえ!頭の中に女の声が響いたぞ!

さてさて、俺様のステータスウィンドウを早速生配信で公開だ!」



 1階層に降りた我々は、順番にスライムを3体仕留める事になった。

 生配信で見ていて分かってはいたが、ダンジョン内は大きな洞窟のような作りになっていて、壁や天井が淡く発光する苔でびっしり覆われているので、不思議と明るい。


 1階層を少し進んだ所で順番を決める話し合いになったのだが、生配信中の『無双三連星』と『キューティーペア』が我先にと名乗りを上げた。

 今はジャンケンで勝った野郎共のパーティーメンバーがスライムを仕留めてはしゃいでいる。



 マジうぜえ……つうか、邪魔臭え……



 後に控えている人が居るんだから、レベリングが終わったらさっさと後方に回って……ん?今、猛烈に嫌な感じが……



ズドドドドド!!!



 妙な感覚を覚えた俺が即座に臨戦体制を整えると、初心者ダンジョン全体が激しい音を立て始めた。



「きゃっ!!な、何か洞窟が!!」



 俺の左隣にいた雪乃ちゃんが叫び声を上げる。

 無理もない。俺達の居る洞窟全体がグニャグニャと波打つように歪み始めたのだから。



「皆んな、一旦身を屈めるんだ!!

立っていられない者は地面に手を付けても…」


「ダメだ!!皆んな戦闘体制を取れ!

凄え力を持った何かが近付いて来る!!」



 引率の内の1人が的外れな指示を出したので、異変をいち早く察知した俺は大声で全員に呼びかけた。



 この肌がひりつくような感覚……相当な強者と対峙する際に感じられるモノだ……



 緊張感をマックスにして洞窟の奥を睨み付けていると、凄まじい力を宿したソレが姿を現した。

 マズいな…まさかレベリング前の初っ端からこんなヤツと出くわすとは…



「ひ、ひぃぃっ!ワ、ワーウルフだ!」

「や、ヤベエって!」

「あ、アレってBラン最上位の魔物だろ!?どうしてココに居るんだよ!?」

「お前ら邪魔だ、退け!」



 そう……

 俺たちの前に現れたのは俺の当面の目標であるワーウルフだった……


 先程ダンジョンが大きく歪んだのは、ダンジョン変遷の前触れだったんだろう。


 ダンジョン異常には大きく分けて、ダンジョン変遷、オーバーフロー、スタンピードの3つに分類される。

 ダンジョン変遷が起こるとダンジョンの構造やランク自体が変わり、本来そこに居るはずの無い高ランク魔物が出現するようになる。



 これまで国内の初心者ダンジョンでダンジョン変遷が起こった事は無いんだが…



 思わぬ強敵の出現に大きく混乱する『無双三連星』と、引率のCランク探索者の2人。

 特に大柄な方の引率者がトドロキとか言う新人を押し除けて、此方へ走って来る。



「馬鹿!魔物に背中を見せるな!」



ズギャアアア!!!



 俺が慌てて声をかけると同時に距離を詰めたワーウルフが、逃げ出したCランク探索者の背中を鋭い爪の一撃で切り裂いた。



「うぎゃぁぁぁあ!!」



 背中を抉られたCランク探索者は地面に転がり絶叫する。

 そこそこ質の良い防具のおかげか、背中の傷は致命傷にはなっていないようだ。

 それでもかなりの出血が見られるし、戦闘は無理だろう。


 ワーウルフは倒れた探索者に見向きもせずに、周囲を睨め回している。

 ゴツい狼の顔が嗜虐的な笑みを浮かべているように感じられる。



 ハァ……『無双三連星』のアホ共がはしゃいでいたせいで、ヤツら以外はまだレベリングが済んでおらず、俺も雪乃ちゃんもスキルを得られていない。

 生身でワーウルフを相手取らなくては行けないのか…。



ーーーーーーーーーーー



DLSアプリ(日本版)内掲示板


【青田買い】新人探索者の生配信を語るスレ Part.211【荷物持ち】


306:名も無き探索者

おい、ID:42424219の生配信がヤベエぞ!!

新人のレベリング中にダンジョン異常が起きたっぽい!


307:名も無き探索者

釣り針が大き過ぎて草


308:名も無き探索者

まぁ、この手の低レベルな釣り師はこのスレには多いからな


309:名も無き探索者

ちょ、マジじゃねえか!!

あれ、ワーウルフじゃね!?


310:名も無き探索者

レベリング中って事は初心者ダンジョンか?

嘘だろ!?


311:名も無き探索者

>>306 JSAに連絡したか!?


312:名も無き探索者

お、1人めちゃくちゃ可愛いコおる。しかもめちゃ巨乳


313 :名も無き探索者

ハァハァ…ワーウルフにめちゃくちゃにされる巨乳美少女…ハァハァ…


314 :名も無き探索者

>>311 当たり前だろ!レスする前に連絡したわ!


315 :名も無き探索者

>>313 通報しますた


316 :名も無き探索者

つうか、既に1人やられてるやん

装備からして引率の探索者か?


317 :名も無き探索者

逃げて!少なくとも巨乳美少女だけは逃げて!!


318 :名も無き探索者

いや、マジで洒落にならんだろ

ワーウルフなんて、Bランク探索者がパーティーで何とか討伐するような魔物だぞ


319 :名も無き探索者

ヤバ…ワーウルフが巨乳ちゃんを見てる…


320 :名も無き探索者

ワーウルフ!巨乳美少女は見逃せ!


321 :名も無き探索者

あ…


322 :名も無き探索者

ヤバ


323 :名も無き探索者

飛びかか


324 :名も無き探索者

待て


325 :名も無き探索者

嘘!?何あのイケメン!?


326 :名も無き探索者

マジか!?アイツも新人だろ!?


327 :名も無き探索者

【悲報】イケメンが巨乳ちゃんを救う


328 :名も無き探索者

イケメンの動きヤバくね?


329 :名も無き探索者

装備からして新人で間違いないが…あの動きはあり得んぞ

スピードは大した事が無いのに、すり抜けるように躱してやがる


330 :名も無き探索者

俺、最初から生配信見てたけど、あのイケメンさんはまだレベリングしてないぞ


331 :名も無き探索者

うぉぉお!イケメンがワーウルフを切り付けたぁ!!


332:名も無き探索者

物凄えカウンターが炸裂!!


333 :名も無き探索者

ヤベエ…あのイケメンに抱かれたなって来た


334 :名も無き探索者

>>330 アレでレベリング前ってマジか!?

普通に惚れてまうやろ!!


335 :名も無き探索者

【悲報】レベリング前のイケメンがクソ強い件


336:名も無き探索者

『無双三連星』とかいうヤツらの生配信、同接50万越えてるっぽいんだが…


337:名も無き探索者

やれぇ!イケメン!!


338 :名も無き探索者

つーか、JSA職員は何やってんの?

レベリング用の初心者ダンジョンてJSA支部の敷地内にあるハズだろ


339 :名も無き探索者

こんなアツい配信は無えぞ!

レベリング前の新人が単騎でワーウルフを圧倒するとか


340 :名も無き探索者

Aランク探索者の俺氏、現場近くに居たから職員に救援要請受けたんだが、初心者ダンジョンの入り口が結界で塞がってて中に入れない…


341 :名も無き探索者

結構切り付けてるのにまだ動けるとか、ワーウルフはやっぱ硬えな


342:名も無き探索者

うお、イケメンがワーウルフに押され出した


343 :名も無き探索者

マズい流れになって来たな


344 :名も無き探索者

救援早く行けよ!イケメンが死んだら巨乳ちゃんも死ぬんだぞ!


345 :名も無き探索者

あ、あかん…


346 :名も無き探索者

ヤバ


347 :名も無き探索者

ハイ終了〜

JSAも無能〜



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ