50話 ど底辺のヤツらと神城雄貴に魅せられたヤツ ①
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昨日投稿するのを忘れていたので、本日2話投稿致しました。
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《小島幸樹(瑠奈の彼氏)視点》
「つーか、何でアタシまで探索者にならねえといけないワケ?」
「ソコはアレだ。ダンジョンとかでムラついた時とかに備えてだぜ。
ルナはツラも極上でいつもミニスカだし、外だろうが何処だろうがヤらしてくれんじゃんな?」
ルナと共にJSAに来たぜ。
今日から俺様もトップ探索者の仲間入りだ。
ルナはめちゃくちゃ不貞腐れてやがるが、そんなの俺の性欲の前じゃ関係ねえ。
ダンジョンでルナと2人きりとか、普通にムラつくシチュエーションじゃんよ。
最近、フツーにヤるのがマングリだったから、ダンジョン攻略の合間にヤる事でマングリカイショーっつーの?
そんな感じも有りーの、フツーに考えてレベリングをした時にレアスキルがゲット出来る確変つーのも、1人よりも2人のほーが何倍にもアガる。
俺はベンキョーは大キレーだが、馬鹿じゃねえ。
確変が何倍にもハネる2人体制で登録に来たんだっつーの!
「んん?職……職……
オイ、ルナ。
コレ何て読むんだ?」
「あ?職……職……職質じゃね?
何年何月に職質されたかっつー事じゃね?」
「はぁっ!?
んなもんイチイチ覚えてるワケねーだろ!!
オイ、受付のチャンネエ!職質された日にちとか覚えてるワケねーだろ!!
ふざけてんのか、このヤロー!!」
受付に来ていきなり自分の情報を書く紙を渡された俺は、思わず受付のチャンネエを怒鳴り付けちまったゼ。
だってそーじゃんな?
皆んなだって生まれてコレまでお巡りに職質された回数は両手の指で足りねーハズだ。
何年何月に職質されたかイチイチ覚えてるヤツなんて居るか?
「ンンッ!
あの、ソレは『ショクレキ』って読むんですが?
何年何月から何年何月まで◯◯って会社で働いてましたと書いて頂ければ結構です」
「んだよ!ソレなら最初からそー言えよ!!
ったく、使えねーチャンネエだゼ!」
俺は使えねー受付のチャンネエに苛立っちまった。
何か俺を下に見ている顔をしてやがるしヨォ!
この女がマブくて巨ニューじゃなかったら引っぱたく場面だゼ!
俺は何とか怒りをクールにさして、書ける所は全部書いて行った。
わざわざ作ったマイメンカードもテーシュツした。
その後はクソみてえなモンだったゼ。
つまらねー事この上ねえジュギョーを聞かされて、ムショみてーに写真を撮られて、変な機械を渡されて、クソみてえな説明をされた。
コイツらの話はガッコの先コーと同じだ。
オチがねえ。
だからすこぶる退屈なんだゼ。
オチの無え下らねえ話をダラダラと聞かされて、コッチがウンザリしていた所で漸く昼メシの時間になった。
「マジでだりーわ。
アタシ、やっぱ探索者なんかになりたくねーんだけど」
JSA近くのファミレスでメシを食ってると、ルナが文句を垂れ出した。
チッ!こんなドタンバになってケツまくるとかありえねーだろーが!
俺は苛立ちながら「大金が手に入る」「ルナならユキノよりも人気が出る」「オメェがいねえとテンション上がらねえ」とか何とか言って、ルナを何とか説得した。
午後イチのダンジョンへの特攻は俺様に天才的なアイディアがある。
見てやがれ!この俺様が一気にビッグになって、これまで俺様をバカにして来た前職のクソどもやあのクソ弁護士、そしてあのヘナ◯ン野郎にザマァしてやるんだぜ!!
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《藍口竜樹視点》
あの日、『カミヒロ ユウヒ』君とスパーした事が全ての始まりだった。
アマエリートと呼ばれ、日本人には不可能とされたウェルター級での金メダル獲得を期待されていた俺が、高校生のカミヒロ君のパンチでダウンを喫し、その後もボコボコにされたんだ。
スパーは何とか勝てたけど、フィニッシュのカウンターのアッパーは死に物狂いで放ったモノで、狙い撃ちしたワケじゃない。
ボクシング歴1ヶ月というカミヒロ君にボコボコにされた俺は、あれ以来ボクシングに取り組む姿勢が変わり、3年前のローマ五輪で金メダルを獲得した。
当初の目標だった金メダリストになった俺がその後もアマボクに留まったのは、いずれ頭角を表すであろうカミヒロ君にリベンジする為だった。
しかし、いつまで経っても『カミヒロ ユウヒ』がアマボクの大会に現れる事は無かった……
彼との対戦を諦めて、五輪二連覇に焦点を合わせようとした矢先、思わぬ形で彼の事を知る事となる。
ニュースに魔物と戦う彼の姿が映っていたのだ。
その時俺はダブルでショックを受けた。
先ず、名前を間違えて認識していた事に。
そして、レベリング前の生身の『神城雄貴』君が、ワーウルフを倒した事に……。
戦闘時の彼の動きは凄まじい等と陳腐な表現で片付けられるモノでは無かった。
目付け、見切りの速さ、動き出しの速さ、魔物との距離感、ポジショニング、体捌きの全てが超一級品。
足場の不安定なダンジョンであの動きをする為、彼がどれ程修練を重ねたのか想像もつかない。
俺はレベリング前の神城君の戦闘に魅せられ、いつの間にかボクシングのトレーニングから探索者として戦う為のトレーニングに没頭するようになった。
そして、五輪の日本代表選考試合を辞退して、先日引退会見を行った……
記者から怒涛の質問攻めに遭ったが、「ライバルが戦うステージに立ち、どれだけ彼に近付けるか試したい」の一点張りで会見を乗り切った。
さて、いよいよ彼の戦場に足を踏み入れようと、覚悟を決めてJSA本部に探索者登録に来たんだが……
「おい、ルナよぉ。
あのオッサンの話つまんねぇから、ちぃとハメさせてくれや」
「ヤメろって!
イヤッ!スカートの中に手を突っ込むな……ンッ!あんっ……」
「カハハハッ!
おいおい、濡れ濡れじゃねえの」
俺の真後ろに座ってるDQNカップルがマジでウゼエ……
「なぁ、君達。
真剣に講義を受けている人達の邪魔になるから、そういう事をするなら出て行ってくれないか?」
関わり合いになりたくない手合いだったが、真後ろでおっ始められたら敵わないので、やんわりとDQNどもを窘めた。
「ケッ!なんでえ!
スカしたお坊ちゃんがよぉ!ノリがクソ悪いでやんの!
ホントは俺達がヤる所見てえんだろ?このクソムッツリの陰キャ野郎が!!」
「えっ!ウソ!?
アンタ天才ボクサーの藍口竜樹じゃね!?
ヤバッ!ちょっ、隣に座って良い!?」
「そこ、うるさいぞ!!
静かにしないなら、退室を命じるぞ!!」
クッ……後ろのアホどものせいで俺まで注意されたじゃないか……
いや、もうこんなクソ底辺どもは無視だ、無視、無視!
俺は気を取り直して、講義の内容をインプットする事に集中したのだった。